【テイクオフ】手を置く正しいポジションを解説!

サーフィンの要となるアクションがテイクオフ。スタンドアップの良し悪しはライディングにも大きく影響する。そこで今回はテイクオフでの“手のつき方”を検証。より良く立ち上がり、波に乗っていくためのヒントを、日本を代表するサーファー、大澤伸幸プロの解説で紹介する。

2大スターに学ぶ手を置く位置の必然性

ケリー・スレーターとジョン・ジョン・フローレンスのテイクオフ。現代のサーフィン界が誇る2大トップサーファーは、どこに手をつき、立ち上がっていくのか。以下2枚の写真を見て、大澤伸幸プロは「2人ともに胸と腰の間あたりですね」と指摘した。

ケリー・スレーター

ケリー・スレーター

ジョン・ジョン・フローレンス

ジョン・ジョン・フローレンス

では、なぜケリーもジョン・ジョンも胸と腰の間あたりに手を置くのか。大澤プロによる理由は3つ。

『サーフボードへ加重をするため』

『立ち上がる際に足を出すため』

『サーフボード上でバランスをとるため』


というものであり、いずれもがテイクオフにおける手の重要な役割。これらをスムーズに連動させるうえで、理想的な手の置き場が〝胸と腰の間あたり〞なのだという。

 

世界の2大スターに学ぶ手を置く位置の必然性

前過ぎず、後ろ過ぎず、理想の位置は胸の少し下

NG例

世界の2大スターに学ぶテイクオフ時の手の役割は?

意識をもって手をつけばテイクオフは大きく変わる

テイクオフのときの手の役割を改めて考える。大澤プロがいう「加重をする」とは、特に厚めのブレイクの場合に、手でボードを押し込むようにして、滑り出しの初速を得る動きを指す。「足を出す」は、手で身体を支え、足を出して立ち上がる際の補佐的な動きを指す。そして「バランスを取る」は、掘れたブレイクのとき、手を支点にして身体を起こし、ボードと波とのバランスを取る動きのことをいう。もし波とのバランスが取れないと、結果としてパーリングになってしまうことが多い。たとえば手をノーズ側に置き過ぎると重心もノーズ寄りに移り、波に巻き上げられやすくなるのだ。こうした明確な役割が手をつく行為にはあり、その後のスムーズなライディングにつながるのである。

①加重するため

②足を出すため


③波とのバランスをはかるため



より良いライドのためにはスムーズな動きが重要となるテイクオフ。
以上の要素を念頭に海で実践してみよう!

教えてくれた人

大澤伸幸プロ/1988年生まれ、茅ヶ崎出身在住。18歳でJPSA公認プロサーファーとなり、2010年にはJPSAグランドチャンピオンを獲得。19年ぶりにその栄冠を湘南にもたらした。以降も常に大会で上位に進出する、日本を代表するトッププロサーファー。

写真/ピート・フリーデン 取材・文/鎌田啓祐 イラスト/明石 優