憧れのキャンピングカーでサーフトリップ

キャンピングカーの魅力は自由を与えてくれることだ。あてどなく波を求めてさすらい、波の前で快適に寝ることもできる。日本でもキャンピングカーが手軽にレンタルできるようになった。ならばと、早速2人のサーファーが乗車。一路、西を目指した。

キャンピングカーでサーフトリップ

DAY1 キャンピングカーがあると、波選びはもっとワガママになる

キャンピングカーでサーフトリップ
面白いのは、ロングボーダーとショートボーダーながら、同じ目的地をあげたことだ。日本列島の下には低気圧が近づいている。目指すは伊良湖。2人は嬉々として、アクセルを踏み込んだ。「それにしても、直海の装備は軽くない? ウェットは3㎜?」「いやぁ、寒い冬は西へ行くのがいいですもんね」「でもきっと湘南より冷たいよ」「え、そうでしたっけ!?」

キャンピングカーでサーフトリップ

何気ない会話を楽しみながら進む高速道、その先に見える富士山は雪に覆われていた。寒さの続く日々、エンジンを止めてもヒーター機能を持つキャンピングカーは、想像以上に心強い。実は北海道、ニュージーランドなど、キャンピングカーで旅をした経験のある雄太は、その長所を肌で感じてきた人物だ。同じく、移動手段として活用したことのある直海も「着替えの寒さとは無縁だからいいですよね。しかもキャンピングカーに泊まるのは初めて。楽しみだな」と笑顔を見せる。もしも旅路の途中で疲れたなら車を停めて眠ればよく、空腹は備え付けの冷蔵庫やキッチンが満たしてくれる。考えるべきは波のことだけ。キャンピングカーがあれば週末旅のスタンダードは大きく変わる。これこそが、自由なサーフトリップというものだ。

キャンピングカーでサーフトリップ

「いいですね!」キャンピングカーをレンタルして5時間ほど。伊良湖に到着すると、平日なだけあり、いい波ながらサーファーは数人ほどしかいなかった。とりあえず車の中でコーヒーを淹れながら波を眺める。持参したサーフボードは全部で5本。楽しむ準備は万全だ。

キャンピングカーでサーフトリップ 瀬筒雄太プロ 瀬筒雄太プロと小林直海プロ キャンピングカーでサーフトリップ

DAY2 波の音を耳にして目覚める朝。

暗くなるまでサーフィンを楽しみ、自分たちのペースで夜の準備を始める。とりとめのない話に笑い、明日の波を想像する時間は実に楽しい。しかも目覚めれば、目の前は海なのだ。サーファーにとってまたとない快適な環境に包まれて、いつの間にか2人はウトウトと眠りに落ちる。翌朝、窓から見る景色はどうだろう。「バレルだ!」夜が明ける頃、まさかの寝言を吐いた直海に「嘘つくなよ」と同じく寝言で返す雄太。2人はまだ夢のなか。自由が詰まった車内で、彼らの波への思いも爆発する。「おはようございます。あ、波ある。とりあえずパトロール?」むにゃむにゃと起き出した直海は、ドアを開けた瞬間、その寒さに一気に目を醒ました。「冬だ、忘れてた! 夜中暑くてTシャツになったんですよ俺」「コーヒー淹れようか?」「はい、お願いします」ゆっくりとリズムを刻むドリップの音。やわらかな朝日とともに寄せては返す波。さらに車内に流れる音楽が交わることで、目の前の情景は美しく彩られる。時間も場所も忘れるほどに心地良いひとときに、サーフトリップの醍醐味を改めて実感する。

瀬筒雄太プロ

「入ろうかな」「ですね。僕も」海を前に目覚めたことで、ゆるやかに始まった新しい1日。キーンと冷たく引き締まった空気のためか海は幻想的な表情を見せる。「あんまり寝てないけど、全然眠くない!」という直海の言葉をきっかけに、この日の1ラウンド目はスタート。旅の喜びを隠せない2人は次々と波に乗る。冬の海岸は混雑と無縁だ。思い思いのサーフィンを楽しむ彼らの姿は、真っ青な冬空に浮かぶ太陽のように晴れやかに輝いていた。

瀬筒雄太プロ 小林直海プロ

「まだ時間があるね。帰りがてら静波に寄ろうか?」と雄太がいう。先を急ぐ必要もない。キャンピングカーでランチを食べ、その後は冷えた身体を温泉で癒し、またサーフタイムへ。そんな算段で向かった静波もいい時間だった。「また、すぐに行きましょうよ」直海の言葉を耳にしながら見る夕日が次の旅を予感させる。キャンピングカーから見る景色は、いつも旅情に溢れているのだ。

キャンピングカーでサーフトリップ

これだけのサーフボードが積み込める!

絶対安心のお気に入りボードで、波を遊び尽くす旅する仲間の個性に合わせて、ボードをセレクト

「いわゆる普通のショートボードとオルタナティブ系を持参しました。個性がまったく違うので、この2本さえあればどんな波でも楽しめます。普段からロングボードやツインフィンなど、さまざまなボードに乗っているので、セレクトはそのときの気分次第。今回はダブルアップの波が楽しかったです」(小林直海)
小林直海プロ

旅する仲間の個性に合わせて、ボードをセレクト

「今回は事前に行く場所が決まっていなかったので、さまざまな波に対応できるラインナップにしました。特にショートボーダーの友達と行くときは、普段と選ぶ波もだいぶ変わるので、同じ波をシェアできるような短いボードが必須。結果、小波からファンウェイブまで思い思いのサーフィンを楽しめました」(瀬筒雄太)
瀬筒雄太プロ

 今回レンタルしたキャンピングカーはこれ!

キャンピングカーでサーフトリップ

東京か千葉から出発できるエルモンテRVジャパン

アメリカ最大手のキャンピングカーレンタル「エルモンテRV」が、昨年より日本に上陸。3車種から選べるキャンピングカーは千葉・船橋にある営業所ほか、東京都内のタイムズカーレンタル(限定店舗)でもレンタル可能。料金は1日20,000円~。長期割引もある。

4人座れるダイニングテーブルだから食事も快適

車両後部はショートボードを立てかけることも可能。

料理の幅が広がる「キッチンセット」も便利

エルモンテRVジャンパン
☎0120-905-747
https://elmonterv-japan.com/jprental


写真/ペロ 取材・文/菅 明美 協力/エルモンテRVジャパン