スノーボードはサーフィンから始まった!
北風が寒い冬の日に雪山へ行くことをオススメするのは、雪の上でもサーフィンと同じ感覚が味わえるから。冬は雪山を滑って身体を整え、海ではない場所で見聞を広めることで、サーファーとしての幅はさらに広がっていくはずだ。
近年、スノーサーフィンという言葉を耳にするが、単に「雪山をサーフ的に滑る」ことを言ったものではない。スノーボードのルーツに関して諸説あるなか、1960 年代には「雪上でサーフィンしたい」と思い、自ら“スノーサーフィン”と命名したボードを自作していたサーファーがいる。その人はニュージャージーに住んでいたウェイン・ストーブキン。そして彼の着想をもとに、世界初のスノーボードブランド「ウインタースティック」が誕生した。
「ブライン」店長吉岡雅晴さんに聞く!
冬になると雪山へ通う理由とは?
サーフギアを中心に、スノーボードやアウトドアアイテムなどが豊富にラインナップされいるスタイルショップ「ブライン」。海と雪山、両方のフィールドの楽しさを長年味わってきた店長の吉岡さんに、サーフィンに通じるスノーボードの魅力を語ってもらった。
1.パウダースノーの斜面には、グッドウェイブと同じ興奮がある
「パウダースノーを滑っているときは、いい波に乗っているときのフィーリングに近くて最高に楽しいんです。そういったライディングの感覚に加えて、スノーボードとサーフィンの共通点を僕が感じるのは気持ちの部分。仲間と情報を集めながら山へと向かい、狙った先でクリーンなパウダーに出会えると、天気予報や波情報を見て台風の波を当てたときのようにすごくうれしいですね。さらに、急斜面のパウダーにドロップする前に感じるスリルと興奮は、海で駐車場に入っていき台風の力強い波が見えたときに身体に走る感覚と全く同じなんです」
2.ライディング感覚を磨きながら、下半身がしっかり鍛えられる
「海でサーフィンしているときはパドリングや波待ちの方が長く、実際にサーフボードの上に立って足でコントロールしている時間って短いですよね。逆にリフトに乗っているとき以外、ほとんどライディングしているスノーボードでは、毎週通っていても足が筋肉痛になるほど。しかも山だと同じ斜面を何度も好きなだけ練習できるので、ライディングの感覚を身体に染み込ませることができるんです。冬のシーズンを終えた頃サーフィンをするとボードの上ですごく踏ん張れている実感があるし、ターンをする際に自然と身体が動くようになっているのを感じます」
3.日本は世界屈指のスノーパラダイス最高の雪上サーフィンが味わえる
「世界的に見ても日本の雪質は注目を集めていて、海外からも多くの人が滑りにやってくるほどのクオリティの高さ。スノーボードをしに何度も日本に来たことがあるサーフボードシェイパーのクリス・クリステンソンが、“日本でスノーボードをしないなんて、ハワイに住んでいてサーフィンをしないようなものだよ”と言っていたぐらいです。車で数時間走ったところにそんなフィールドがあるのは、すごく恵まれた環境ですよね。波があまり期待できない冬の日にも、山に行けば雪の上でサーフィンのように楽しめるので、味あわない手はないと思います」
次の週末は雪山へと車を走らせ、海ではない場所でサーフィン上達のカギを見つけてみるのもいいかもしれない。
シティサーファーなら一度は足を運ぶべし!「ブライン」店舗情報
今回お話しを伺った吉岡さんが店長を務めるスタイルショップBRINE(ブライン)。サーフギアを中心に、スノーボードやアウトドアアイテムなどが豊富にラインナップ。独自の視点でセレクトされたギアを通して、カルチャーを提案するライフスタイルショップ。
☎ 03-6805-2973
東京都世田谷区若林2-41-7
月曜休 12::00 ~ 20:00
URL: http://brine.jp/top/
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取材・文/松永光人
[サーフィンライフ2019年1月号掲載記事を再構成]