サーフィンライフ アーカイブ 【番外編】:クイックシルバー・プロが22年振りにG-Landで開催

G-Land初代チャンピオンはやっぱりこの人、ケリー・スレーター

日本時間の未明にWSL(ワールドサーフリーグ)より2020年にツアースケジュールが発表となりました。メンズ、ウィメンズ別に以下の通り

【MENS】
#1コロナ・オープン・ゴールド・コースト:3月26日-4月5日
#2リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ:4月8日-18日
#3マーガレット・リバー・プロ:4月22日-5月2日
#4クイックシルバー・プロ・G-Land:6月4日-14日
#5 Oiリオ・プロ:6月18日-27日
#6 コロナ・オープンJ-Bay:7月7日-19日
#7 タヒチ・プロ・チョープー:8月26日-9月6日
#8 ミケロブ・ウルトラ・ピュア・ゴールド・フレッシュウォーター・プロ:9月15日-20日
#9 クイックシルバー・プロ・フランス:10月1日-11日
#10 Meoリップ・カール・プロ・ポルトガル:10月14日-25日
#11 ビラボン・パイプ・マスターズ:12月8日-20日

【WOMENS】
#1コロナ・オープン・ゴールド・コースト:3月26日-4月5日
#2リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ:4月8日-18日
#3 マーガレット・リヴァー・プロ:4月22日-5月2日
#4 クイックシルバー・プロ・G-Land:6月4日-14日
#5 Oiリオ・プロ:6月18日-27日
#6 コロナ・オープン・J-Bay:7月7日-19日
#7 ミケロブ・ウルトラ・ピュア・ゴールド・フレッシュウォーター・プロ:9月15日-20日
#8 ロキシー・プロ・フランス:10月1日-11日
#9 Meoリップ・カール・プロ・ポルトガル:10月14日-25日
#10 ハワイ・プロ:11月25日-12月6日

開幕は2019年より1週間早くスタート。5月頭までの一ヶ月少しの間でオーストラリアレッグが終わります。男女ともに次の第4戦まで丸々一ヶ月空いてますので、恐らくこの期間で2020東京オリンピックの最終選考である2020 ISAワールドサーフィンゲームスが開催されるのでは、と思います。場所はアメリカ、フランスなど噂は出ていますがまだ正式なアナウンスはありません。どうせなら、もう一回日本でやって欲しい。さて、男女共にスケジュールを見ると大きく変わったのは、もう長い期間、開幕戦ゴールド・コーストのスポンサーであったクイックシルバーが降りたこと(ロキシーは既に今年降りています)、代わって第4戦にクレジット、場所は何と22年ぶりにG-Lnadことインドネシア・グラジャカンが復活しました。これには驚き。

当時、プロ・サーフィンツアーに一石を投じ、画期的だった「クイックシルバー・プロ G-Land」とは?

インドネシア・ジャワ島南東部に位置するグラジャガンで初のASP(元WSL)のコンテスト、「クイックシルバー・プロ G-Land」が開催されたのは1995年。このG-Landが発見されたは1974年に遡ります。ジャカルタからデンパサールまでのフライト中に眼下で規則正しくブレイクする波を見たのがきっかけ、という何ともサーファー心の響くロマンティックなエピソード。70年代半ばにバリニーズが世界初といわれるサーフキャンプを開設、後半には神様ジェリー・ロペスやシェイパーのピーター・マッケイブがカメラマン等と足繁く通いメディアに初登場、そのパーフェクト過ぎるレフトブレイクは一気に世界の知られることとなりました。しかし、アクセスは当然悪く、周りは人の手が全く入っていないジャングル、そんな場所にサーファーによるサーフィンするためだけのキャンプが開拓されたのです。

「世界最高のサーファーには世界最高のステージを」というASPのツアーコンセプトの元、クイックシルバーの英断により初開催されたのが1995年。少し商業的になっていたツアーはスポンサーや観客のため、その全てが決して世界最高の波で開催されていた訳ではありませんでした。そして、当時はスマホはもちろん、ネット環境も無く、しかも会場にアクセスできるのは選手、コンテスト運営、メディア、そして一部の関係者のみというビジネスを度外視したこの大会は、そのロケーションも相まり、サーフィンの本質を取り戻したと大絶賛を受けたのです(結果として、これがマーケティング的に大成功)。クイックシルバーのようなサーフブランドでなければ、まぁスポンサーは付かなかったでしょう。その後は、96、97年と3年間にわたって開催、いずれもパーフェクトな波に当たり、今となっては伝説の大会となったのです。そんなG-Landが同じスポンサーの元、今の時代に復活。これもロマンティックですね。この3年間のチャンピオンは、

1995年:ケリー・スレーター
1996年:シェーン・ベッシェン
1997年:ルーク・イーガン

今回のスケジュールの発表にあたり、WSLのパット・オコーネルは、ライト、レフト、リーフ、ポイントブレイク、ビーチのバランスを取ったと発言しています。”未開の地”のイメージを持つG-Landと、新しいサーフィンエンターテーメントを提供するケリーのウェイブプールが同一ツアーにクレジットしている当たりがそのバランスの一つかも知れませんね。6月はG-Landのベストシーズンですので、波はほぼギャランティといって良いでしよう。最後にこれは推測ですが、ケリー、この大会に絶対出場するでしょうね 笑 今回もNOギャラリーの試合になると予想しますが、ネットライブ中継は必ずあるので今から楽しみです。でも、できれば現地に行きたい!!

ジャッジタワーの向こうにはパーフェクトなレフトが。左から、KONG 、MONEY TREE、SPEEDYの3セクションがあります

カジュアルにプルインするトム・キャロル。グーフィーフッターには憧れの波