2種類のパドリングを状況によって使い分ける!その方法とは?

陸上で移動するとき、急がない場合はなるべく疲れないように歩く。急ぐ場合は疲れても一生懸命走る。パドリングも同様に、スピードより効率を重視したかき方と、パワーを使って最大限にスピードを得るためのかき方がある。その2種類のパドリングの方法を紹介しよう。

1.  S字にかくパドリング

長距離を移動したり、とくに時間に追われない状況ではなるべくスタミナを温存したい。そんなときに有効なのがこの方法。スピードよりも、できるだけ力を使わないで済む効率の良さを求めたパドリングだ。

左手をベースに解説。1_水の抵抗をなるべ受けないように親指から水面にアプローチ。

2_腕が水中に入ったら、サーフボードのボトムに向かって、水を斜に切るようにしながら胸元に手を引き寄せる。

3_4_手のひらが胸元を過ぎたら、小指から水を切りながら斜め後方へかく。

その反動を使って右手を同時に前方へ。腕をリラックスさせたまま広背筋で回すイメージを持つと肩甲骨が大きく動き、効率の良い動作になる。

5_水中から手が出るときは小指から。

2. I字にかくパドリング

目の前で大波がブレイクしそうなタイミングで沖に向かって猛パドルするときや、乗れる波を見つけていち早くピークにたどり着きたいときなどに有効な、フルスピードを出せるパドリング方法。ただしパワーが必要だ。

左手をベースに解説。1_ 肘を直角にしながら、手を鍬のようにして中指から水面にアプローチ。

 

2_腕が水中に入っても肘を直角に保ったまま、腕で水を抱えるように後方へかく。手のひらは水面に対して常に直角。

3_4_ 腕が胸元を過ぎても手のひらを水面に対して直角に保ち、まっすぐ後方へ水を押し出すようにする。

反動を使って右手を前方へ。肘は立てておく。

5_ギリギリまで手のひらで水を押し、手が水面に出るときは小指から抜くようにする。


[2019年7月号掲載の記事を再構成] 取材協力/工学院大学工学部機械工学科 伊藤慎一郎教授  取材・文/高橋淳

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