
2026 年、WSL チャンピオンシップ・ツアー(CT)は大きな転換点を迎える。シーズンを通して“最も強いサーファー”を決めるため、競技フォーマット、ポイント制度、シーズン構造が再設計された。50 年以上続くプロサーフィンの歴史の中で、CT は再び「原点回帰」と「進化」を選んだ。
正真正銘の世界最高峰の戦い
近年のWSLは、ファイナルズによる一発勝負の世界タイトル決定や、シーズン途中で選手が脱落するミッドシーズン・カットなど、緊張感とエンターテインメント性を重視したフォーマットを採用してきた。しかし2026年からは、その流れを見直し、年間を通じた累積ポイント制へと回帰する。つまり、シーズンを通して安定して勝ち続けた選手こそが、世界チャンピオンになるという考え方だ。CTは再び「長いシーズンを戦い抜く総合力」を問うツアーへ戻る。CTは一戦ごとの勝敗だけでなく、世界中のあらゆる波への適応力、コンディション調整、メンタルの強さまで含めた〝本当の世界一〞を決める舞台。真のオールラウンダーしか栄冠を掴めない場所だ。 ここでは2026年のフォーマットや参加選手を見ていこう。
何が変わった?WSL CTの変化7選
1.WSLファイナルズの廃止
2.エリミネーションラウンドの廃止
3.ミッドシーズンカットの廃止
4.全てのヒートがマンオンマン
5.ウィメンズの参加人数を増員
6.ポストシーズンの開催
7.パイプマスターズでのポイント加算
参加人数の変化
CTへの参加人数は男子36名のままだが女子は24名に増えた。チューブライディングやエアを武器にする選手も現れるなど、急速にレベルが上がるウィメンズシーンを反映したもの。より多くの女性サーファー世界最高峰の舞台で戦うチャンスを手にすることになる。
26年シーズンは全12戦
今年よりレギュラーシーズンの9戦とポストシーズンの3戦の全12戦で構成される。レギュラーシーズンの9戦中、各選手の上位7戦の結果をもとにポストシーズン(最終戦以外)を戦う選手が選出される。ポストシーズンに進出できるのは男子24名、女子16名。そしてシーズンのフィナーレ、伝統のパイプ・マスターズでは再び全選手が優勝を狙う。最終戦では獲得ポイントが通常の1・5倍になりシーズン最大の山場となるだろう。全12戦のうちポイント上位9戦の合計で世界王者と世界女王が決定する。

フォーマットに変化
25年シーズンとの最大の違いはエリミネーションラウンドの廃止と全てのヒートがマンオンマンになった点だ。さらにレギュラーシーズンではトップシードがラウンド2以降に登場する。男子のラウンド1は、シード下位の6名とワイルドカード2名の計8名で争われる。女子は、シード下位14名とワイルドカード2名の計16名がラウンド1に出場し、勝者がシード選手の待つラウンド2へ進出する。ポストシーズンでは、男子はシード9〜24位の選手がラウンド1からマンオンマンで戦い、勝者がラウンド2へ。女子は全選手が出場し、勝者がクオーターファイナルへと進む。最終戦パイプ・マスターズでは全選手が揃い、男子トップシードはラウンド4から、女子はラウンド2から登場。年間順位が高いほど、より有利な条件で戦えるフォーマットとなっている。一発勝負の緊張感は増し、イベントワイルドカードの存在感もより大きくなるだろう。
究極のオールラウンダーが王者となる
4月から12月まで最大12戦、9カ国で戦うことになるCTサーファー。伝統のベルズビーチでの戦いで始まりマーガレットリバー、スナッパーロックスと続くオーストラリアラウンドでのスタートダッシュがひとつ鍵になりそうだ。ラグランのマシンブレイクの後に続くエルサルバドルやブラジルの癖がある波。チョポとクラウドブレイクのヘヴィーレフト、そしてロウワーのマシンブレイクとバラエティ豊かな波での戦い、ポストシーズンはアブダビのウェイブプールとポルトガルのタフな波、世界チャンピオンのトロフィーに次ぐ価値を持つとも言われるパイプ・マスターズの称号をかけた戦いでシーズンはフィナーレを迎える。すべてを勝ち抜いた者だけが、世界チャンピオンとなる。
注目の選手は…?
2018年から日の丸を背負い参戦している五十嵐カノアは10年目の節目のシーズンを迎える(1シーズンがコロナでツアーがなかったため)。現在までにCT優勝は1度だが準優勝は複数回記録しており、昨年のランキング7位とワールドタイトルを虎視眈々と狙う。抜群の安定感を誇るだけに、爆発力を磨けば頂点が見える。もう1人の日本代表コナー・オレアリーは昨年のJベイで悲願の初優勝を果たすなど今年も期待できる選手。まずはホームのあるオーストラリアレッグで上位につけたいところ。レフトブレイクのラグランが追加されたのも朗報だ。他のトピックスと言えば男子のガブリエル・メディーナ、女子のステファニー・ルモアとカリッサ・ムーアの復帰。3人で16回のワールドタイトルを獲得しているラスボス級のサーファーとラウンド1やラウンド2で当たるサーファーは相当にタフだ。ガブリエルは大きい波、チューブ、エア、どれも苦にしないのでモチベーションがあればすんなりツアーに溶け込めるだろう。一方の女子、カリッサは昨年パイプで行われた大会で優勝するなど、すでにヒート中はママの顔からコンペモード。ガブリエラのパワーサーフィンが評価されていた昨年の感じだとすぐに優勝争いに加わりそうな雰囲気だ。ステフに関しては2シーズンの休みがどこまで響くか。それでも、あのスムースなサーフィンでクイーン奪還を狙う姿は容易に想像できる。他にも14歳でクオリファイを掴んだティア・ゼロフスキ(フランス)は史上最年少でのCT参戦となる。女子でもエアリアルをヒート中に繰り出す選手も増えるなか高難易度のバックハンドのエアもメイクするなど空中戦でもさらに進化を果たしそうだ。
WSL CT2026メンバー
メンズ
2025年チャンピオンシップ・ツアー・ランキング上位22名
ヤゴ・ドラ(ブラジル)
グリフィン・コラピント(アメリカ)
ジョーディ・スミス(南アフリカ)
イタロ・フェレイラ(ブラジル)
ジャック・ロビンソン(オーストラリア)
イーサン・ユーイング(オーストラリア)
五十嵐カノア(日本)
フィリッペ・トリード(ブラジル)
レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)
コール・ハウシュマン(アメリカ)
バロン・マミヤ(ハワイ)
コナー・オレアリー(日本)
ミゲル・プポ(ブラジル)
ジェイク・マーシャル(アメリカ)
クロスビー・コラピント(アメリカ)
マルコ・ミニョ(フランス)
ジョアオ・チアンカ(ブラジル)
ジョエル・ヴォーン(オーストラリア)
アラン・クレランド(メキシコ)
リオ・ワイダ(インドネシア)
セス・モニーツ(ハワイ)
アレホ・ムニーツ(ブラジル)
CSからのクオリファイ10名
カウリ・ヴァースト(フランス)
イーライ・ハンネマン(ハワイ)
モーガン・シビリック(オーストラリア)
ジョージ・ピター(オーストラリア)
サミュエル・プポ(ブラジル)
カラム・ロブソン(オーストラリア)
ルーク・トンプソン(南アフリカ)
オスカー・ベリー(オーストラリア)
マテウス・ハーディ(ブラジル)
リアム・オブライエン(オーストラリア)
WSLシーズン・ワイルドカード
ガブリエル・メディーナ(ブラジル)
ラムジ・ブキアム(モロッコ)
WSLリプレイスメント
マシュー・マクギリヴァレイ(南アフリカ)
ウィメンズ
2025年チャンピオンシップ・ツアー・ランキング上位14名
モリー・ピックラム(オーストラリア)
キャロライン・マークス(アメリカ)
ガブリエラ・ブライアン(ハワイ)
ケイトリン・シマーズ(アメリカ)
ベティルー・サクラ・ジョンソン(ハワイ)
イザベラ・ニコルズ(オーストラリア)
タイラー・ライト(オーストラリア)
エリン・ブルックス(カナダ)
レイキー・ピーターソン(アメリカ)
ルアナ・シルバ(ブラジル)
ソイヤー・リンドブラッド(アメリカ)
ヴァヒネ・フィエロ(フランス)
ベラ・ケンワージー(アメリカ)
ブリサ・ヘネシー(コスタリカ)
CSからのクオリファイ7名
ティア・ゼブロウスキー(フランス)
ヨランダ・ホプキンス(ポルトガル)
サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)
アリッサ・スペンサー(アメリカ)
フランシスカ・ヴェセルコ(ポルトガル)
ナディア・エロスターベ(スペイン・バスク)
アナト・レリオール(イスラエル)
WSLシーズン・ワイルドカード
カリッサ・ムーア(ハワイ)
ステファニー・ギルモア(オーストラリア)
WSLリプレイスメント
アネット・ゴンザレス・エチャバリ(バスク)
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