サーフィンライフアーカイブ Vol.10〜1992年1月号 日本サーフィン史に残るカバーショット”カレンズポイント”

台風21号のグランドスウェルが宮崎全域にヒット、その大きさは1991年10月8日から開催されていたASP日本サーキット第2戦「宮崎プロ」の会場木崎浜をクローズさせ、一時コンテストは中断しました。コンテストオフのある日、フォトグラファーの土屋高弘さんがヒュッジスウェルで荒れ狂う内海ポイントを見てみていると、一人のサーファーがまだ誰もサーフした事のない右奥のアウターリーフ目がけてとパドルアウトしていく姿が。こんなコンディションでゲットするなんて、と心配に見てきたそうです。すると、そのサーファーはチャンネルをうまく使い、いつの間にかゲットに成功し15フィートクラスの波にテイクオフしました。そのサーファーこそがトム・カレンだったのです。続いたのがトム・キャロルと当時ルーキーだったケリー・スレーターの2人、追って土屋さんもラインナップへ。信じられないようなセッションが繰り広げられたのです。そしてこのポイントは後に”カレンズ”と呼ばれる事となったのです。日本サーフィン史に残るスーパーショットをご覧ください。

カメラはまだフィルムで枚数も限られていた時代。当然スマホやSNSもありません。このセッションの現像が上がった時、先輩スタッフ達はどう感じたのでしょうか。期待とか不安とか興奮とか、きっと今では味わえない感覚なんだろうと思うと羨ましく感じます。世界中のサーフィンメディアから問い合わせが殺到したのは言うまでもありません。