テイクオフを成功させるために次の5つのポイントを意識しよう。
この記事の目次
1.目線はサーフボードに落とさない
波をキャッチするためにパドリングをしているときから、顔を上げて、波が割れていく先を広く見てあげよう。そうして波の変化をなるべく先まで察知できるようにしていれば、余裕のあるテイクオフからライディングを始めることができる。パドリングであげた注意点と同様に、下を見るとフラつきの原因になるうえ、失速してしまう。サーフボードは目線を配った方へと向かっていく。これはテイクオフだけでなく、どのような状況でも共通する事柄だ。
2.手は握らず、サーフボードに添える
テイクオフのときにレールを握ると、体が力んでしまい、ボードに余分な力が掛かってバランスが崩れてしまう。また握った手を離す動作が必要なため、立つ動作がワンテンポ遅れるデメリットがある。手はデッキのレール側に添えるようにして立ち上がろう。添える位置は、パドリング時の重心である“みぞおち”がついていたあたりに、手のひらの付け根がくるくらいが目安になる。また立ち上がるときに前足のつま先も、この手のひらの付け根にくる。
3.立ち上がるのはサーフボードが滑ってから
初心者にありがちなのが、立つことだけに意識が向きすぎて、サーフボードが滑り出す前に立ち上がり波に取り残されてしまうパターン。慌てずに、まずは波のスピードとウネリの向きに合わせることに意識を傾けてみよう。そうして徐々にサーフボードが押されて走り出すまで、波からのエネルギーを感じながらパドリングを続けることが大切。テイクオフ可能なタイミングは、パドリングをしなくてもボードが滑っている状態になってからだ。
4.素早くしなやかに、前足を胸に引きつける
サーフボードが滑り出したら、いよいよテイクオフの準備が完了する。ここで大切なのは寝そべった状態からスタンディングへのスムースな重心の移行だ。パドリングしているときみぞおちにある重心は、手に移動した後で足に移る。 “サーフボードに手を添える”“腕を伸ばす”“前足を胸に引きつけて立ち上がる”という動作を区切ることなく一連で行おう。パッと立ち上がらずに、前足を胸に引きつけるようにすることが一番のキーポイントだ。
5.立ち上がった後、膝は軽く曲げたまま
サーフィンはテイクオフを完成させてからが本番。波の上を華麗に舞うことが醍醐味となる。刻々と変化する波に合わせアクションを繰り出すために、立ち上がった後はサスペンションのごとく膝を軽く曲げ、柔らかく保とう。立ち上がるというよりは、中腰でいるくらいの感覚だ。棒立ちになってしまうと、まっすぐ滑ることは可能だが、ターンはできない。波の変化に対して柔軟に対応することも難しく、ワイプアウトしやすくなってしまう。
どのポイントも当たり前なことに聞こえるかもしれないが、改めて基本に立ち返って自分のサーフィンと比較してみよう
写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 取材協力/ケンティンサーフショップ
[2018年9月号掲載の記事を再構成]