やっぱり”パドリング” こそがサーフィンだ。波をキャッチするためにも、ラインナップへと辿りつくためにも、必要不可欠なのがパドリング。夏までにステップアップするにあたり、大澤信幸プロがコツを伝授。まずは7つのポイントを押さえよう。
01.ストリンガーに合わせて身体を乗せる
02.上体は無理なく反るイメージ
03.サーフボードと接するのはみぞおち辺り
04.腕は自然に広げる
05.足は開かない
06.膝はサイドフィンとバックフィンの間に置く(ショートボードの場合)
07.視線は進行方向へ送る
指はごく自然に開くのがGOOD。無理に閉じたり大きく開いたりすると不要な力が入りやすい。力まず行うほうがスピーディでスムーズなパドリングになる。
パドリングができないとサーフィンはできない。海のなかを移動できないし、波をキャッチできないためである。「プロサー ファーでも常に意識してパドリン グを進化させようとしています」と言うのは大澤プロだ。試合ならテイクオフしてからが勝負の世界。誰よりも良い波を掴むために効果的なパドリングは必要となる。ではより効果的なパドリングには何が必要なのか。大澤プロは、まず「サーフボードの上でバランスを保てること」だと言う。「サーフボードの上に寝そべった状態で、腕で水をかくのがパドリング。グラグラと不安定な状態では腕をスムーズに回せず、またサーフボードと海水面との抵抗が大きくなり失速してしまうのです」 右の写真を見るとわかる通り、 大澤プロのパドリング姿勢には安定感がある。その姿勢を取るためには上記の「パドリングの基本姿勢」が必要となってくる。
「サーフボードの中心にあるストリンガーに沿って身体をおくこと。みぞおちあたりを重心においてサ ーフボードと接し、目線はしっかりと進行方向へ。頭はブラさず、力まないように腕を回すのがスムーズなパドリングのコツです」ローマは1日にして成らず。繰り返してトライすることが大切であり、波のない日こそはパドリングの絶好の練習日となる
ストリンガーに沿って腹ばいになり、胸を軽く反らせる。視線は進みたい方向へと向ける。
クロールするように水をかく。肘を軽く曲げ 親指→人差し指という順に水面に手を入れる。
腕を交互に回す際、みぞおち付近に軸を置け ていないと左右にふらついてしまうので注意。
足を閉じるのもバランス確保の秘訣。距離を稼ごうと無理に腕をノーズの先へ伸ばさない。
腕はサーフボードのすぐ脇を通る感じで回していく。指は自然に開いている状態が理想。
肩や腕に余計な力を入れず、両腕を滑らかに回していける状態が理想のパドリングとなる。
身体の中心が少しもブレず、ぐらつきが少なくなればそれだけ推進力を得ることができる。上記のことにも注意しつつ波がない日などはパドルの練習をするのも効果的だ。
海に着いたら波がない。 そのような日こそ、 絶好のパドリング練習日
自宅やビーチで行うのと、実際に海に出てサーフボードに寝そべりパドリングをするのとでは勝手がまったく違 う。海に“浮いている”状況自体が不安定であるためだ。パドリングの「基本姿勢」と「基本の動き」は事前に学習できても、あくまでそれはイメトレ。海での実践練習こそが糧となる。そこで確かなパドリングを体得するために海での練習回数を増やそう。波のない日などは絶好の練習日和。打ち寄せる波にサーフボードが影響を受けることなく、凪いだ海に浮いて練習できるためだ。また、波のある日ならサーファーのいないところを探そう。安全面からも足がつく深さのところを練習の場にしたい。
海でのパドリングでは、慣れるまでは不安定になりひっくり返ることも。しかし練習を重ねれば確かな方法が見えてくる。上の写真にあるような安定した姿勢を参考にしたい。また、まだパドリングがおぼつかない状況ならばサ ーファーのいない場所を探して練習しよう。