東に江ノ島・西に富士山を望み、連日多くのサーファーでにぎわう鵠沼海岸。海沿いの道から北側に一本入った通り、商店街のマリンロード端にそっとたたずむのが「デイズ鵠沼」だ。
16年前にオープンしたこちらのお店。料理のおいしさはもとより、海から徒歩5分というアクセスのよさも手伝って、今ではビーチラバーに愛される老舗のカフェ&ダイニングバーとなった。
人気No. 1メニューのガーリックステーキチャーハン
人気メニューは、にんにくと茸が香るステーキチャーハンや、野菜と挽き肉たっぷりのアジアンライス。日々の改良の結果、海上がりを想定した調理をしているとあって、どの料理もジューシーかつボリューミーだ。
「デイズ鵠沼」を経営するオーナーの矢澤尚司(やざわ・ひさし)さんは、凪の海を連想させる——この表現は無粋かもしれないが——穏やかな笑顔が印象的なベテランサーファー。20代の頃に通っていた鎌倉・由比ヶ浜にあるレストラン店主がサーファーで、その影響でサーフィンと料理を始めたのだとか。
オーナーの矢澤尚司さん
「お店には色々なサーファーがやってきては、飯を食べ、話をして、帰ってゆく。それを見ているうちに、僕もお店を持ってみたいと思うようになって」
古きよきサーファー文化と気風を受け継いだ、鵠沼海岸の名店主。今ではそんな彼を慕い、店を訪れるローカルも少なくない。
「でもね、オープン当初はお店の経営が上手くいかなくて、しんどい思いもしました。毎日沈んだ顔をしていたから、従業員も、お客さんも、どんどん引いていってしまって……」
白を基調とした店内には、テーブル席とカウンター席を用意
開店から3年、気づけば全くサーフィンをしなくなっていた矢澤さん。サーフィンとお店を両立するために始めたのに、これでは本末転倒だ——。浮かない顔で店に立っていた彼を導いてくれたのは、鵠沼のローカルロガーであり、矢澤さんの先輩サーファーだった。
「今のままじゃいけない。サーフィンしよう」
先輩に声をかけられた矢澤さんは、ボードを抱えてビーチへ向かうことに。数年ぶりにパドルアウトした矢澤さんを迎えてくれたのは、昔なじみのサーファーたちだった。
「サーフィンに救われたというか……。それがきっかけで初心に返ることができました」
人と人が心から繋がりあえる、海のそばのコミュニティーづくり。当時抱いていた夢に改めて気づかされて以来、矢澤さんは奮闘。だんだんとお店の経営も軌道に乗り始め、16年がたった今、「デイズ鵠沼」は商店街の人気グルメスポットとして名を連ねるまでになった。
「これからは、僕を救ってくれた海や商店街の皆さんに恩返ししていきたいです」と矢澤さん。休日は、ビーチクリーンなどの護岸清掃活動にも力を入れているという。
店名の由来は、矢澤さんのモットーでもある“日々の成長と発展”にちなんでいる。居心地のよいお店の雰囲気と絶品料理を味わいに、いちど足を運んでみてはどうだろうか。
デイズ鵠沼の店舗紹介ページ
「サーフィンに救われた」店主が叶えた海のそばの店づくり |
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