3本フィンの魅力とは?我らスラスター主義 #2

ボードが多様化しようとも、時代を超え愛され続けるスラスター。サーファーを魅了するその理由を13 人のサーファーに聞いた。


小川直久さん プロサーファー

小川直久
おがわなおひさ●1972年、千葉県生まれ。JPSA元グランドチャンピオン。ショートボードの最年長プロとしてコンテストシーンで活躍。千葉・鴨川で自身のショップ「レガロサーフ」を経営している。

見栄えもフィーリングも大事。細かいチューンナップは欠かせません。

シェイパーが2年かけて完成させたモデルを、今年行われたバリ島の試合用としてオーダー。「ノーズ幅やテール幅、ロッカーやコンケイブなど、何度も微調整を繰り返して仕上がったボードです。僕には少し大きめのスペックですが、このモデルは大きめに乗った方が見栄えがいい。大会ではジャッジたちにいかに印象的なサーフィンを見せられるかが肝。そのため何よりも見栄えを重視します。僕は身体が小さいので通常はスモールやミディアムのフィンを使うけれど、ここではラージを選択。ドライブやスピードに勢いが生まれます。スラスターこそがサーフィンで一番やりたい技を引き出せるボードだし、フィン選びでボードの動きがかなり変わりますよ」。

HAMMO SURFBORDS
ハモサーフボード
ザ・サード・アイモデル 172.7×46.36×5.63㎝

ハモサーフボード

オーストラリア最高のDNAを受け継ぐ次世代シェイパーが作り出す「ハモサーフボード」の最新モデル。多くの外国人ライダーも愛用しているハイパフォーマンスボードを自分仕様のスペックに変更している。


大里 健さん ショップオーナー

大里 健
おおさとけん●1979年、神奈川県生まれ。湘南・藤沢にあるセレクトショップ「ジャックスガレージ」を兄弟で経営。モデルとして雑誌やCMでも活躍。スラスター好きで年に数本はニューボードを手にする。

サーフィンを妥協したくない。だから絶対スラスターなんです。

「スラスターじゃないと自分にとってはサーフィンじゃなくなる」と断言する大里さんにとって、そのスピード感と、波にボードを当て込んだときの気持ち良さこそがサーフィン。「深いボトムターンからリップへと、スラスターならではマニューバーに魅了されてますね。このモデルを初めて手にしたのは10年前ですが、その後も長さは変えず、幅や厚みを少しずつ変更しながらオーダー。今回は究極に細くて薄いボードが完成しました。テイクオフは早いし、スピードも出る。めちゃくちゃ調子いいです」。重くて引きずる印象を払拭するために、センターフィンは必ず小さめをチョイス。多くのこだわりが詰まった最高の1本が、彼を今日も海へと向かわせる。

CHRISTENSON SURFBOARDS
クリステンソンサーフボード
ランボーモデル 177.8×47.63×5.40㎝

クリステンソンサーフボード

カリフォルニアのスタイルマスター、スコッティ・ストプニックのシグネチャーモデルを自分好みにサイズ調整。このモデルは実は10 年以上も愛用中のもの。細かなチューンナップを繰り返し、理想に近づけている。


写真/板倉淳夫、高橋賢勇、朴 玉順(CUBE) 取材・文/菅 明美、高橋 淳