最高なサーフスポットが満載!サーフィンライフ のおすすめサーフタウンガイド「千葉・南房総」

東京の対岸にありながら、房総半島の先端という地勢が理由のためか、エキゾティックでメローな空気に包まれている千葉・南房総エリア。都市と田舎が抜群の距離感にあるため、都市部のサーファーをはじめ、タウン&カントリーな暮らしに関心を持つ人たちが熱い視線を注ぐ。

千葉 南房総 サーフィン

歴史ある鴨川に隣接するオルタナティブ・エリア

千葉県南房総市は、房総半島南端に位置し、三方を海に囲まれた里海、里山の風景が残る自然豊かな地域。都心からアクアラインを経由して車で2時間弱と、都会に近い田舎「とかいなか」として、観光だけでなく、2拠点居住を目指す人の関心を集め、企業がサテライトオフィスを展開する地になっている。ゆえに、その誘致も盛んな地域だ。現在は、市内の各所で廃校になった校舎群などを再利用して、都市部と南房総地域のハブになるような、さまざまな趣向を持った多目的複合施設が芽吹きつつある。暮らしにおける環境の良さから、今後ますます子育て世代の移住先としても注目を集めるようになるだろう。筆者である私自身も、この地域の新たな動向と発展に心傾ける移住者のひとりでもある。

千葉 南房総 富浦インター
さて、サーフィンの方に目を向ければ、半島の沖を流れる黒潮の影響で、年間を通じて温暖。かつ、冬の水温も茨城エリアや千葉北エリアと比べてはるかに高いため、夏と同等に近い数のサーファーたちが波乗りに興じている。千葉南エリアの代表的なサーフタウンとして知られるのは、日本サーフィン発祥の地のひとつに数えられる鴨川だ。しかし、そのオルタナティブなエリアとして、南房総市の和田、丸山、千歳、千倉にも、歴史に刻むべきレジェンドたちの歩みと、クラシカルなブレイクが点在していることを、今回の特集では紹介したい。

良質な波が待つ南房総4大ブレイク

ジェイズ前

水量多く、頭半以上で真価を発揮

千葉 和田 ジェイズ前 

「和田」と呼ばれる地域のなかでも代表的なブレイクのひとつがジェイズ前。国道を挟んで目の前にある、ローカルレジェンド岡田修平さんが営むサーフショップの名がそのまま冠されている。鴨川から南下し、南房総市に入るとポコ下、墓下を経てジェイズ前にリーチし、続いて若千葉荘、白渚となる。「波は一年を通してコンスタント。フラットは、ほぼないね。北から東、南まで広い範囲のうねりを拾うからね。その反面、波の良し悪しは地形に左右されやすい。砂が動きやすいのも特徴かな。基本的にビーチが深いので、潮が引いてる時間帯に波がいいときは多い。デカくなるとショアブレイクはハードだよ」と話してくれた修平さん。氏はサーフィンとビーチアクティビティを織り交ぜたローカルイベント「ワダフェス」を毎年企画。昨年で開催6回目を数え、季節の風物詩になりつつある。そして、父である氏の背中を追って、幼い頃からここの波を体感してきた次男の海か い将とさんは、「ジェイズが真価を発揮するのは頭半からダブルくらい。そのサイズでホールドして、水量の多いリップがバレルを生みます」。ローカルはそのときを心待ちにしている。

ジェイズ オーシャンワークス

還暦を迎えつつも、ハワイ・サンセットの波にチャージする岡田修平さんがオーナーのローカルショップ。氏はウェットスーツブランド「ウエスト」も手がけている。
☎0470-47-4700 南房総市和田町柴259-1
9:00 ~ 18:00 無休 http://js-surf.com

道の駅 和田浦ワオ

ビーチや和田浦駅へ歩ける距離にある道の駅。朝採れ食材や地の特産品が買え、また食事処(10:00 ~ 18:00L.O.17:30)もありサーフ後の空腹を満たすこともできる。
☎0470-47-3100 南房総市和田町仁我浦243
9:00 ~ 18:00 無休 http://wa-o.awa.jp

白渚

岩礁と河口が生むパワーある波

和田エリアでジェイズ前に並ぶもうひとつの代表的なブレイクが、白渚だ。位置的にはジェイズ前から和田漁港を挟んで南側になる。そして、白渚をさらに南進すると大原駐車場前、花篭とブレイクが続く。白渚には複数のサーフショップが軒を連ねるが、今回は「エス アンド エス」のオーナー、石井祐司さんに話を聞いた。「3・11で潮が思い切り引いたときに初めて目にしたんですが、白渚の沖全体に岩礁がばらついているんです。遠浅ではないので、うねりが地形にぶつかりリップが飛ぶような波になりますね。ショップを挟んで右側が河口、左側がリーフ混じりのサンドボトムになっていて、大雨で河口の砂が沖へ流されると地形が良くなるときが多々あります。そうして左側の地形が決まると、パワフル、かつリップあり、バレルありのインドネシアを思わせるような波になるんです。特に冬場に多いかもしれませんね」他、台風からの南西うねりや秋雨前線からの南東うねりにも敏感であるという。「なんといっても、1日を通じて、潮が上げても引いてもサーフィンできる類い稀な環境が、白渚の最大の魅力ですね」

エス アンド エス

昨年でオープン20周年を迎えた白渚を代表するサーフショップ。ブレイクの目の前で、広い駐車場を完備。定期的にビーチクリーンなども行なっている。
☎0470-47-3655 南房総市和田町白渚551-2  8:30 ~ 18:00 不定休 Facebook: sands2007

笑福

和田漁港の正面にある寿司居酒屋。房州地物の他に、オーナーがゆかりのある襟裳の海の幸も楽しめる。オススメは夜のおまかせコース。季節ごとに楽しみが絶えない食事処だ。
☎0470-47-5229 南房総市和田町和田598-7 11:00 ~ 14:00、17:00 ~ 22:00 水曜休

千歳

岩混じりのポインティなブレイク

白渚を過ぎ、花篭の北側くらいから少しずつビーチが湾曲し、ゆるく東に振れてくる。丸山川河口を越え、次に迎えるブレイクが千歳だ。ここも複数のサーフショップが軒を連ねるスポット。その中で今回は「ジニアス」オーナーの加藤将門さんに話を聞いた。「千歳はロック&サンドの深いボトムで、ポイントブレイクのような波が特徴。ビーチは東向きで、南からも北からもうねりを拾うから、1年中波はあるね。注意したいのは、波打ち際にリーフが露出しているときがあること。怪我をしてしまうから、ビギナーの人は注意した方がいい。反面、砂は多く、小さな川がいくつか流れ込んでいて、かつボトムがロックだから砂はつきやすい。テトラも入っていないし、40年前と変わらない風景がここには残っているよ」昔ながらの場所とはいえ、近年は新しい動きを感じるという。「ここ数年でWSLプロジュニアの会場になったりと、新しいカルチャーが芽生えつつある。しかも、過去のコンテストはいずれも波に恵まれて、千歳で結果を残したジュニアがタイトルを勝ち取っている。日本の若者たちの間で南房総の波の印象はより深く刻まれていると思うんだよね」

GENIUS

WSLジャパンのヘッドジャッジも務める加藤将門さんがオーナーの千歳を代表するサーフショップ。お店に出入りするローカルの大澤さんは14歳! 明るい未来を見た。
☎0470-46-4044 南房総市白子2563-2 9:00 ~ 18:00 無休

房州節らーめん 華の蔵

房州節らーめん 華の蔵
20年以上続く名店。地魚の節と豚骨のダブルスープ、コシが強く味わい深い全粒粉麺の組み合わせ。具材も自家製チャーシューをはじめ、職人気質を感じられる一杯が楽しめる。
☎0470-44-4075 南房総市千倉町白子2713-12 11:00 ~ 14:00(麺、スープがなくなり次第終了)月曜休(祝祭日の場合は、翌火曜休)
www.chikura-hananokura.com

千倉

初級者から上級者までをフォロー

千歳を南下し、最後に迎えるメジャーブレイクが、千倉。ここも複数のサーフショップが軒を連ねるが、今回は「サザンコースト」オーナーの鈴木国雄プロと、ローカルの行縄敦さんに話を聞いた。「深い沖から一気に浅くなって割れる、速めの波が千倉の特徴かな。南房総では唯一、南西風をバッチリかわすブレイクだから、そんなときは混雑することも多い。それに河口の存在と風の影響で、春先は地形が決まりやすいですね」というのは鈴木さん。そして行縄さ
んも「ベストは2〜4月。普段は他のブレイクよりワンサイズ落ちることが多いから、初級者に向いているともいえるけど、一旦サイズが上がるとすごいチュービーな波に変貌します」と教えてくれた。聞けば、新島の羽伏浦を思わせる掘れた波が姿を見せるときがあり、サーフボードが真っぷたつになる光景も見かけるのだとか。また、鴨川マルキに次ぐ大型の無料駐車場がビーチのすぐ目の前にあることに加えて、有料だが温水シャワーが完備され、サーフィンしやすい環境が整っているスポットでもある。その立地的特性と、波のクオリティも相まって、JPSAプロロングボードツアーの会場として、10年以上の歴史を持つ。

サザンコースト

今年で25周年を迎える、プロロングボーダー鈴木国雄さんがオーナーのプロショップ。ビギナーから上達したいサーファーまで、レベルに合わせたスクールが充実。
☎0470-44-4735 南房総市千倉町南朝夷1193-91 9:00 ~ 18:00 不定休
http://sc-chikura.com

ガラス工房 グラスフィッシュ

作家が多く住む千倉にあって、その代表的工房がグラスフィッシュ。吹きガラスの技術でさまざまな暮らしの道具を手がける。愛犬や赤ちゃんの足型を残すサンドキャスティングも人気。
☎0470-44-5660 南房総市千倉町北朝夷1889 電話にて問い合わせ 不定休
www.glassfish2001.com


写真:高橋賢勇 取材・文:根岸 功(クジカ)