表紙はジェイミー・オブライエンのオフ・ザ・ウォールでのグラブエアー。ノースショアのビーチフロントで生まれ育ったバリバリのローカルのジェイミーは、2004年のパイプマスターズにワイルドカードとして出場し、並み居るCTサーファー達を押しのけ優勝。念願のパイプマスターの称号を手に入れます。これはローカルサーファーにとって、トリプルクラウンを獲得するのと同じ栄誉なのです。同じノースショアローカルといえば、ジョンジョン・フローレンス。ジェイミーはJJFにとってはお兄さん的存在ですね。2回のワールドチャンピオンであるジョンジョン、2011年に最年少でトリプルクラウン優勝を果たしていますが、パイプマスターはまだなんです。どうしても欲しいタイトルでしょうね、だってローカルだもの。果たして今年はどうなるか?
2004年は伝統的なビッグウェイブスポットのワイメアで「EDDIE AIKAU(THE EDDIE)」が3年ぶりに開催された年でもありました。ドチューブなパイプライン、バッグドア、ヘビーブレイクのサンセットなど様々な種類の波が点在する”奇跡の7マイル”といわれるノースショアの中でもとりわけ神聖な地とされるのがこのワイメア。マウイのジョーズやポルトガルのナザレなど、ワイメアより大きな波がブレイクするスポットはありますが、ビッグウェイバー達にとっはここでの優勝は、それ故、別格なのです。長年の開催パートナーであったQUIKSILVERが数年前にスポンサーを降りてしまったため、一時存続が危ぶまれていましたが、現在では「Eddie Aikau Big Wave Invitational」と名称を変更し続いています。つい先週、2019-2020シーズンの招待選手が発表されたばかりですね。
この時のエディって実はパイプマズターズがスタートしてから、コンテストの中断期間に急遽開催されたんです。優勝はブルース・アイアンズ。上の写真は遥か沖から乗り継いで乗り継いで、ガッツポーズをしながらショアブレイクに突っ込む瞬間を捉えたもの。これは以前、ノースショアのレジェンド、マイケル・ホーやってのけたのと同じハワイアン・スタイルへのオマージュです。黄色いディィク・ブルーワーのガンといい、まだパイプの試合が残っているにも関わらず怪我をも恐れないのこの突っ込みぷりといい、ブルースってそういう男気あるところが人気のある所以なのです。「最初は迷ったけど、行くしかないと思ったよ」とは当時のブルースのコメント。まさに”EDDIE WOULD GO”スピリットを体現したライディングなのでした。