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新型コロナウイルスの影響で久々に日本で開催されたWSLのクオリファイシリーズ(QS)「ASIA OPEN」。この1戦はただのQSではなく、CTクオリファイへと繋がる唯一の道(ワイルドカードを除く)CS(チャレンジャーシリーズ)への出場権がかかった戦い。たった1戦で全てが決まってしまう緊張感の漂う戦いとなった。
会場は千葉県一宮町釣ヶ崎海岸(通称、志田下)と日本屈指のサーフスポットであり聖地とも言える場所だ。まず先行してプロジュニアが行われ、ローカルの岩見天獅、松岡亜音がそれぞれ男女で優勝した。
続くQS1000は男女ともに強豪選手が順調に勝ち進み、ファイナルデーに駒を進めたのはメンズが(上山久里朱VS田中大貴)(村上 舜VS鈴木 仁)(脇田泰地VS西慶司郎)(稲葉玲王VS大原洋人)の8名、ウィメンズは(野中美波VS都筑有夢路)(脇田紗良VS松永莉奈)の4名。メンズのクオーターファイナルで稲葉と大原という優勝候補が激突し、終了間際まで一歩も譲らず、お互いラストライドが8.0ptと7.5ptとそれぞれのヒートハイエストスコアとなるなどギリギリの戦いに。僅かに稲葉が上回りこのヒートをモノにした。ウィメンズは都筑が僅差で、脇田は圧勝でファイナルへと駒を進めた。
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安定したサーフィンを見せていた田中大貴
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エアーにチューブと敗れはしたが魅せてくれた鈴木 仁
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2021JPSA最終戦と同じく脇田に敗れた西慶司郎。ここ一番の強さがあるだけに惜しい敗戦となった
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五輪まで重要な試合では1試合も負けることがなかった大原洋人。終了30秒を切ってのラストライドは鳥肌モノだったが僅かに及ばず
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見事キレのあるサーフィンでCSへのチケットをゲットした野中美波
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松永莉奈はセミファイナルでは実力を発揮出来ず。CSでは思う存分暴れてほしい
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ダイナミックなサーフィンが魅力の上山久里朱。CSで暴れまわってほしい
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不用意なワイプアウトが減り、攻めたカッコイイサーフィンを魅せる脇田泰地
メンズのセミファイナルは村上と神山、稲葉と脇田との対戦。切れ味とスピードあるなかでもリラックスしたサーフィンで村上が、もう一方はチームMobb同士の戦いを制した稲葉がファイナルへ駒を進めた。
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昨年はCTへも出場し、場慣れしてきた都筑有夢路。実力を発揮できればCTへのクオリファイも夢ではない
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今大会も随所に世界レベルのサーフィンを見せてくれていた村上舜。2022はクオリファイへ視界良好だ
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技のキレ、スピードともに磨きがかかっている脇田紗良。CTクオリファイに期待したい
ウィメンズファイナルはスピードとキレが武器の脇田とパワフルなレールワークを武器とする都筑の対戦。流れがあり、ハマるとトッププロでもゲットに時間がかかるなかお互いに6本づつ波に乗り見事、スコアをまとめた脇田が優勝。都筑は9ptをスコアしたがバックアップを見つけられたなかった。
続くメンズのファイナル。ここでもチームMobb同士の戦いに。セミファイナルまで好調だった村上は全く波とリズムが合わず、対する稲葉はキッチリとエクセレントスコアをメイクしヒートをリード。見事優勝を手繰り寄せた。
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パワーサーフを炸裂させた稲葉玲王。見事優勝し崖っぷちからCS出場権を手に入れた
男女ともに嬉しいQS初優勝を飾り、大会の幕は閉じた。
松田詩野は惜しくも5位とクオーターで敗れたものの、昨年のCS順位からワイルドカードを獲得した。この結果、CSへの出場権はワイルドカードも含み男子4名、女子5名に振り当てられ、稲葉玲王、村上 舜、脇田泰地、上山久里朱、脇田紗良、都筑有夢路、野中美波、松永莉奈そして松田詩野が手にした。日本人サーファー達の5月から始まるチャレンジャーシリーズでの活躍を期待した。
(左より)CS出場権を獲得したメンズの村上 舜、稲葉玲王、上山久里朱、脇田泰地
(左より)CS出場権を獲得したウィメンズの都筑有夢路、野中美波、松永莉奈、脇田紗良、松田詩野
WSL CS(チャレンジャーシリーズ)の日程が発表され、世界各地で8戦が行われることが決定した(新型コロナウイルスの感染拡大により中止になる可能性もある)。昨年までと違い、CTの前半戦でカットオフされた選手達男子12名、女子7名が最初から参戦してくるので、レベルがグッと上がることが予想される。5月にオーストラリアで始まり、11月のハワイで終わるこのシリーズでは、最終的にランキング上位、男子10名、女子5名のサーファーがCTへとクオリファイできる。ウェブから観戦可能なので、日本人選手にエールを送ろう!
2022 WSL Challenger Series Schedule
Boost Mobile Gold Coast Pro presented by Rip Curl: 5月7 -15日
Sydney Surf Pro presented by Rip Curl: 5月17日-24日
Ballito Pro presented by O’Neill: 7月3日-10日
VANS US Open of Surfing: 7月30日-8月7日
EDP Vissla Pro Ericeira: 10月1日-9日
Quiksilver / ROXY Pro France: 10月12日-23日
Corona Saquarema Pro presented by Banco do Brasil: 11月1日-8日
Haleiwa Challenger: 11月26日-12月7日
写真/熊野淳司