サーフィンライフ5月号に乗り比べ特集として掲載されているフィッシュボード。
その独特な形状が魚に似ていることから、フィッシュボードと呼ばれているが、そもそもフィッシュボードとはどのようなサーフボードなのか?5つの視点から解説する。
この記事の目次
いつフィッシュは生まれたか?
カリフォルニア・サンディエゴの実験的なシェイパー、スティーブ・リズが正座のような姿勢で座りながら乗るニーボードのデザインとして1960年代後半にフィッシュを考案。やがてそのデザインをサーフボードに応用した。このオリジナルのフィッシュの系譜に属するものを“サンディエゴフィッシュ”と呼ぶ。
独特のデザインにみる特徴は?
フィッシュの最大の特徴は深く切れこんだテール。これは考案者であるリズが、シングルフィンのピンテールをふたつ並べたようなアウトラインを生み出したことによる。幅の広いアウトラインは大量の水をサーフボードの下に流し驚異的な加速を作ると同時に、ターン時には片側のテールとフィンを使った機敏な動きが可能となる。
“モダン”と“パフォーマンス”の違いとは?
サンディエゴフィッシュをベースに、現代のシェイパーたちによってより操作性を高めるデザインが施されたものは“モダンフィッシュ”(写真右)。最新のショートボードデザインやシェイプ理論にフィッシュの要素を取り入れたものは“パフォーマンスフィッシュ”と呼ばれる。
フィンの数が変わると何が変わる?
フィッシュのフィンは、直進性と加速性に優れたキールフィン(写真上)を左右1本ずつ配置するのが基本となる。それに対して左右2本ずつ配置するクアッドフィンは、波に対する食いつきが向上し、キールフィンの苦手な縦のアクションやコンパクトなターンがしやすくなる。
テール形状が変わると乗り味も変わる?
フィッシュの原点である“サンディエゴフィッシュ”に由来する幅の広いテール(写真上)は、力のない波からでも多くのパワーを拾うことができる。一方、幅を狭めたテール形状は、波との接水面積が減ることで、ターンの際にサーフボードが傾けやすくなり、コントロール性能が向上する。
SURFIN’LIFE 2019年5月号
2019年4月10日発売 定価980円
表紙/小林直海
公式インスタグラム @surfinlifemag
公式Facebook surfinlifemag