ヴァナゴンの魅力とは!3人のヴァナゴニアンに聞いてみた。

相変わらず、ヴァナゴンを所有するサーファーは多い。ハンドルを握れば旅気分になれ、ノマドのように波を求めてさすらえるため?“ヴァナゴニアン”3人に、真の魅力を直撃!

フォルクスワーゲン ヴァナゴン キャラット(1990年式)

柴田アルベルト将吾さん
有力サーフブランドでの勤務経験を活かして、南カリフォルニア発のサーフアパレルブランド「ヴィスラ」や、イタリア製アイウェア「ディーブランク」などのマーチャンダイザーを務めている。

 

 

 

 

 

フォルクスワーゲン ヴァナゴン キャラット
柴田さんが所有するヴァナゴンはキャラット。サードシートがフルフラットベッドになるグレードで、キャンパー、ミニバン、そして商用車的にも使える欲張りな仕様だ。「本当は1970年代の日産ブルーバードを探していたときに、たまたまお店にあったヴァナゴンを発見。あまりの可愛さに一瞬で恋に落ちました」という。購入価格は約200万円だった。

ワイワイ言いながら友達と行くトリップは最高

フォルクスワーゲン ヴァナゴン キャラット
海岸線沿いに走らせて、気に入ったところでデイキャンプ。明日も波が良さそうだと思ったら車中泊。そういう気ままな使い方ができるのがヴァナゴンの魅力。旧い年式ならではとも言える「三角窓」が付いているのもポインだ。 「のんびり走りながら外の季節を感じられるのがいいんです」とのこと。また「購入を決意したのはこのボディカラーだったせいでもあります」というくらい淡いブルーに惚れている。個性的な1台だ。

ヴァナゴン

3列目シートは車中泊に使うため、サーフボードはルーフラックに固定するのがデフォルトになっている。

ヴァナゴン

3列目シートを倒すとベッドになる。大人もゆったり足を伸ばせる。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン マルチバンウェストファリア(1990年式)


安田真也さん
ファーズハウスやデザイナーズマンションの不動産物件、リノベーションなど、住まいから幅広いライフスタイルをサポートする「エムズハウジング」の代表。1 女2 男の父でもある。

 

 

 

フォルクスワーゲン ヴァナゴン マルチバンウェストファリア

ヴァナゴンをベースとして、キャンパー仕様に仕立てられたのがウエストファリア。ポップアップルーフによってベッドスペースが簡単に拡張できるのに加え、サイドオーニングも展開できる「どこでもキャンプ」仕様だ。旧知の先輩がヴァナゴンに乗っていたほか、アメリカ西海岸でその姿見たのを機に購入を決意。購入価格は約160万円だった。アメリカ西海岸でその姿見たのを機に購入を決意。購入価格は約160万円だった。

家族から文句がでないほどヴァナゴンは我が家の人気者

ヴァナゴンを探していた安田さんが、たまたま出会ったのがウエストファリアだった。家族のいる安田さんにとって願ったり叶ったりの選択肢。これに乗って約4年で6万キロを走っているというから、1年につき1万5000㎞走っている計算になる。「ロングドライブが苦にならないどころか、小ぶりなシートも座り心地がいい。ずっと走っていたいと思わせるんです。遠くに行くと家族が喜ぶくらいですから」と家庭内の人気も上々だ。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン マルチバンウェストファリア

前席と2列目シートはウォークスルー。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン マルチバンウェストファリア

ポップアップさせた空間はベッドスペースにも。ファスナー式の窓があり夏場は風通しが良い。

フォルクスワーゲン ヴァナゴンGL(1991年式)

木頃裕介さん
サーフィン、スケートボードカルチャーに魅了され、旅先で写真を撮るうちにフォトグラファーとなる。アパレルブランド「シュルリアル」のディレクションのほか、デザインまで手掛ける。

 

フォルクスワーゲン ヴァナゴンGL

カリフォルニアにいたときに出会ったサーファーの先輩たちの繋がりから、ブランド立ち上げとともに引き継いだクルマ。運命も感じるこのヴァナゴンは、木頃さんがディレクションしている「シュルリアル」の移動式オフィス兼ブランドの看板となる。ブランドコンセプトは「決して色褪せないデザイン」。まさしく、このクルマにも当てはまるテーマだ。

トランスポーターだけでなくオフィスとしても使う万能車

このクルマでオンもオフもこなす木頃さん。カメラ機材に加え、アパレルブランドのサンプルを満載にして遠方のショップへ行くこともあり、「ヴァナゴンの積載能力の高さは素晴らしい」という。その道中、メールチェック、デザインや写真データ処理などでオフィスとして活用し、移動していて時間が遅くなったときには3列シートで仮眠。さらにはサーフボードを積んでおけるから、出張や旅の途中でもグッドウェイブを逃すことがない。

出張先や旅先などでも、サッとパソコンを出せば、そこが移動オフィスになる。

オーディオが壊れているので、iPhoneとアナログスピーカーを使用。

【対談】どうしてサーファーはヴァナゴンが好きなのか?ヴァナゴンの魅力とは!

柴田さん ヴァナゴンに乗ってから海辺にいる時間が増えたかもしれない。いや、間違いなく増えていますね。東は宮城の仙台新港から、西は三重の国府ノ浜までサーフトリップに行きました。友達とワイワイ言いながら海岸線沿いを走って、いい波を見つけたら海に入る。あがったら、そのまま車中泊して、翌朝、また波を求めて移動する。それが楽しいんですよ。

安田さん 僕もこれに乗ってから遠出することが増えました。平均すると1年に1万5千キロくらい走っています。一番遠くは家族で青森まで行ったこと。妻と、19歳の娘、16歳の長男、8歳の次男の5人で。家族みんなもヴァナゴンが気に入っていて、もはや我が家のアイドル的な存在です。

木頃さん 僕は仕事とプライベートの垣根がないので、いつでも乗ってます。ロングドライブも平気ですね。ただ、仕事で九州を目指したとき、大阪のフェリー乗り場でエンストしたことがありました。燃料ポンプが原因だったのですけれど、トンカチでカンカン叩いて、再始動(笑)。助かりました。

安田さん 僕も同じようなことがあった。燃料タンクのサビがフィルターに詰まって燃料がエンジンに送られていなかったのが原因。

木頃さん 常に車内には工具を積んでいます。必需品ですね。あとは20ℓのポリタンクに水を入れて積んでいたときもあります。ラジエーターから水が漏れるので。

柴田さん 海上がりに使うんじゃないんだ(笑)

木頃さん はい(笑)、継ぎ足しながら走るための水でした。

安田さん 僕はエンジンをオーバーホールしました。購入時に『そろそろだからね』と言われていたので、これは予定通りだったのですが、修理してからが本当に快調で。これが本来の性能だったんだと感動しました。それ以外、あま
り壊れたことはないんですよね。

柴田さん 「ヴァナゴン壊れませんか?」ってよく聞かれますが、確かにときどき壊れはする。でも困るってほどでもないんです。

木頃さん 壊れるけれど、走れば良いので、必要以上にあった機能的な部分は求めず、直してません。

柴田さん 確かに動けばいいというのはあるよね。走ることそのものが楽しいから。運転席に座ると視点が高くて、とっても見晴らしがいい。しかも見切りがいいから運転しやすい。都心の狭い道も気にならない。どこまでも、いつまでもドライブしたくなるクルマがヴァナゴンなんだと思う

安田さん そうそう。だからロングトリップが増えていく。高速道路を時速80㎞くらいでノンビリ流しているときが最高に気持ちいい。まったくスピードを出す気がしない。ただ走っているだけで楽しいっていうのはあります。

柴田さん それに移動式の基地みたいなところないですか? これで乗り付けたビーチが基地になる。波乗りも楽しいけれど、波待ちするのさえ楽しい、みたいな。

安田さん・木頃さん わかる、わかる、その通りだよね!

 


写真/熊野淳司高橋賢勇 取材・文/中村文太 編集/鎌田啓佑 撮影協力/アーセンプレイス子安の里
[サーフィンライフ2018年1月号掲載の記事を再構成]

 おすすめの記事

アウトドア派サーファーならやっぱりデリカが使いやすい!

2019.02.24

ビビッときた。サーファーの車選びスタッフ鈴木編。

2019.01.24