南太平洋の楽園パラオ オススメサーフスポット

空路でわずか4時間の島で出会った無人のパーフェクトウェイブ

パラオ

太平洋の南方、ミクロネシア地域に浮かぶパラオ共和国の島々は、太古からの姿を今に伝える美しい南国の自然と、島を取り囲んだサンゴ礁によって生み出される豊富な波が魅力の場所。チャーター便を使えば日本からわずか4時間ほどで着け、時差もない。そのうえ無人のブレイクと出会える、サーファーの楽園なのだ。

パラオ共和国 DATA
200以上の島々からなるパラオ共和国。そのうち人が住んでいるのは10島前後と言われ、あとはすべて無人島。コロール州にあるロックアイランド群と、南部地域にあるラグーンは世界複合遺産として登録されている。かつて第2次大戦中に日本の統治下にあったことから、日本とのつながりも深い。公用語はパラオ語と英語となっている。

 

温かく美しいコーラルリーフで割れる波


海洋性熱帯気候で高温多湿のパラオは、1年中ボードショーツで海に入れるサーフ天国。波はすべて、島を取り囲むアウターリーフで割れ、一般に知られているポイントだけで10 ヵ所ほど。島の人々はほぼサーフィンをせず、サーフィン目的で訪れる人も少ないことから、ポイントはいつも無人に近い状態となっている。5~10月の雨季には南西寄りの風となり、マルキョクに代表されるメローな東側のポイント、11月~4月の乾季には北東寄りの風となり、ウエストパスをはじめとした西側がシーズン。12 ~ 3月は低気圧のうねりによって極上バレルが出現する可能性もある。

パラオ

日本から直行便に乗ると、4時間ほどでたどり着けるパラオは、そのほとんどを大自然に覆われた200以上の島からなる国。世界的にも稀な生態系を持つ壮大な自然と歴史的な価値をもつ考古遺跡があり、そのふたつは合わせて世界複合遺産にも登録されている。 現在の首都はマルキョクとなるが、1番大きな町は国際空港から車で15分のところにある旧首都のコロール。ここにホテルや飲食店などが集中しており、滞在の際の拠点ともなる。パラオは、透きとおった海の中で美しいコーラルリーフが見られるスポットとしてダイビングの世界では以前から有名な場所。このコーラルリーフによって生まれる良質の波が徐々にサーファーに知られるようになり、近年サーフトリップの目的地としても人気を集めている。

サーフスポット1 ウェストパス

大澤伸幸プロ

代表的なアウターリーフのポイントのひとつ、ウェストパスはコロールにある港から船で西へ50 分ほど行った場所にある。今回の滞在では、台風が付近を通ったタイミングと重なったことで、期待に胸を膨らませながらその場所へ向かった。ポイントにたどり着き、波をチェックすると、肩サイズから、ときに頭オーバーサイズのスーパーマシンブレイクが割れている。そんな状況でありながら海には誰もいない。台風からの波はひとりでは有り余るほどブレイクしていて、おまけに無人のピークゆえ、波を追い、サーフィンすることだけに集中できる。さあ、船から海へドボン!

大澤伸幸プロ

波のセクションは掘れるところから厚めの場所までさまざま。何本乗っても飽きることがない。

大澤伸幸プロ

ドルフィンスルーをすれば別世界が垣間見える。

 

サーフスポット2 マルキョク

パラオ

パラオで唯一パドルで行けるポイントがマルキョクだ。コロールからは車で40分ほどの距離で、街から離れるとすぐに色濃くなる自然を楽しみながら向かうことができる。ポイント周辺は、木々が生い茂る静かな場所だが、付近には休憩の取れるスペースや、軽食の取れる食堂などもあり、波が良ければ休んでからもう1ラウンドという楽しみ方ができる。ポイントに着き早速波をチェックすると、やはりここでも無人のの波がブレイクしていた。現地ガイドを務める日本人のサーファーに聞いても「普段から自分1人しかいないんですよ」とのことで、パラオのサーフアイランドとしてのポテンシャルを再確認。エントリーをする際は、海に突き出た桟橋から、安全に入ることができるのもうれしいところ。この日は風が強めに吹いていたが、それでもリーフの上で割れる波はクセがなく乗りやすい。マックスで肩から頭サイズほどの波を楽しむことができた。

大澤伸幸プロ

海に入っていく場所は階段状になっており、波もこないのでイージーにエントリーできる。

パラオのマルキョク

マルキョク近くで暮らす現地の人々の家は、美しい自然に囲まれたリゾートのよう。

今回の旅人

大澤伸幸プロ大澤伸幸プロ
おおさわのぶゆき● 1988 年、神奈川県茅ヶ崎生まれ。2010 年度JPSAグランドチャンピオン。30 歳となった今年のJPSA第5戦では2年ぶりの優勝を飾るなど、ベテランとしてコンペティションの世界でも確かな存在感を証明。同時に、フリーサーフィンの世界でも評価が高く、トライフィンからオルタナティブ系まで、クイーバーに合わせたスタイリッシュなライディングにファンが多い。


写真/char 編集・文/松永光人
[サーフィンライフ2019年1月号掲載記事を再構成]

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