サーフィンフォトグラファー


この10日間程で西へ東へ計3箇所、1泊2日のショートトリップにあるサーフィンフォトグラファーと出かけた。彼と仕事をするのは凄く久しぶりで、車中いろいろな話をした。サーフィンの話題が中心だったけれど、家族や今の環境の事なども。お互い年取ったけど、まだ何とかサーフィンの仕事できてるねぇ〜、なんて笑いながら話した。最初に出会ったのは、彼がまだ20代後半に差し掛かって間もない時だった。今、サーフィンフォトグラファーをやってる人誰がいるかね?あの人元気?なんて話に及んだ時、薄々は感じていてが改めて気がついたのは、今、日本でサーフィンフォトグラファーを目指す、また生業にしている、当時の彼のような若手が全くいないのだ。そう、彼はまだ若手。

技術や機材の進化は今や誰でもフォトグラファー化をもたらした。それはそれで良い事だけど、みんなお利口になったこともあって、”俺、サーフィンの写真でメシ食っていきたいんですっ”っていうヤツがいなくなった。でも、仕方ない。長い業界の低迷で(サーフィンだけじゃないけれど)、それ1本でメシ食って行けないんだもん。これは海外に目を向けても同じ。今まだサーフィンフォトグラファーを続けているのは、いわば達観したおじさん達が殆どだ。もちろん、全員リスペクトしてるけど。

雑誌、コンテンツを製作する者としてこの状況にはやはり危機感を覚える。キチンと夢を見させてあげないと、キチンとバトンを渡さないと、もうサーフィンフォトグラファーはおじさん、おじいちゃんばかりになっちゃうし、日本には誰もいなるかもかも知れない。既出の彼も当然サーフィン以外の仕事をしているけど、”やっぱり波やサーフィンの写真を撮っているのが一番楽しいっすね。トリップ最高です!”って重い機材を担ぎながら言っていた笑顔が印象的だった。

と、いう事でサーフィンフォトグラファーで頑張って行きたい若いコ大募集!頑張って仕事とってきますから。
サーフィン好きなのは大前提だけど、ファッションや他のジャンルのフォトグラファー界より競争相手も今少ないし、言ってみればブルーオーシャンですよ。人の少ないラインナップにパドルアウトする気持ちで!笑

Text :Yasuyoshi Ogawa