ミッドレングスの楽しみ方のコツを田中英義プロが指南

うまく乗りこなせるようになれ ば、どんな技でもできるのがショートボード。短くて動かしやすいから、いろんな波に対してアクションもしやすい。しかし、ショートボードを思い通りに描くまでには長い道のりがある。ある程度自分でボードを動かしていく必要があるからだ。縦の軸と横の軸を組み合わ せてに動くような感覚でもある。
「対してミッドレングスは、ボードに身体を預けるだけでいい。直進性があるので、自分で板をしご かなくても勝手に前に進んでくれます。テイクオフやパドリングなど、すべてのアクションも楽。何か技を入れるとかではなく、ただシンプルに波に乗ることができる。気持ち良く、楽に波に乗りたい人におすすめですね」 英義プロは、フリーサーフィンを楽しむ時や、少し身体が疲れている時にミッドレングスを持ち出す。ショートボードより動作が必要なく、ショートでは抜けられない厚いセクションも抜けられるのでイージーだ。最近ではミッドレングスを愛用するショートボーダーも増えていて、スタイルもさまざまに。「独特のライディングスタイルも人気ですよね。でも実はそこに意識を持っていくと身体に力みが見えてしまう。ミッドレングスは脱力が一番最初にくるのがかっこいいと思いますね」


今日の波は一本筋ではなく、少し走ると違うセクションが現れるような波。ショートボードでは何度かしごく必要がありましたが、勝手に前に進んでくれるミッドレングスなら、簡単に乗りこなすことができますね」と英義プロ。ミッドレングスに乗る時は、ただ身体を預けるだけでOK。波の動きに合わせて、気持ち良くライディ ングを楽しもう。「トロい波でミッドレングスにだらっと乗っていれば、波の動きも理解しやすくなります。結果、波を読む力を育むことになるので、時にはミッドレングスを持ち出すのがおすすめ。身体のタテ軸をあまり使う必要もなく、左右の動きで反応してくれます。レールをセットすることを意識するとさらに気持ちいいです」

ミッドレングスの魅力▶ 1 テイクオフがイージー
エッグのようなシェイプが特徴のCI MIDは、さらに直進性が高く、一瞬 のパドルでサッと波に乗ることができる。テイクオフが楽だから、その後 のライディングにも余裕が生まれ、先の波を見極める練習もできる

ミッドレングスの魅力▶  2力まないサーフィンを体感できる
「ジョン・ジョン・フローレンスなどもそうですが、サーフィンに全く力みがないですよね。それはコアがしっかりしているから。彼らのように力を抜いてサーフィンをすることはとても大切なのですが、実は結構難しいんです」。しかし少 ない動作で波に乗れるミッドレングスなら、力まないサーフィンの感覚を学ぶことはできる。シンプルに自分の身体の重みだけで動くことは、“波に合わせる”という感覚も養ってくれる

ミッドレングスの魅力▶  3頑張らなくても走る
体重をボードに預けるだけでグングン 走るミッドレング スは、リラックスして波に乗る気持ちよさを教えてくれる。 同時に、波の動きを肌で感じることができるため、ショー トボードに切り替えた時にもその感覚が活きてくる

ミッドレングスの魅力▶ 4レールワークを学べる
ショートボードよりも大きなミッドレングスは、当然レールを入れた時の接地面も広い。つまりレールを入れた時の感覚がわかりやすいので、レールワークの練習にも最適だ。「リップやカットバックなど、さまざまなアクションをミッドレングスで慣れておくと、ショートに切り替えた時の返しも楽に感じます」

田中英義プロ
たなかひでよし●1986年、千葉県生まれ。当時の最年少プロとして14歳という若さで華々しくデビュー。JPSAでは2度のグランドチャンピオンに輝く。世界を魅了するサーフボードメーカー「チャネルアイランズ」のライダーであり、近年話題のトランジッション的ボードCI MIDも愛用。成熟したライディングスキルを持つ彼に、ロングライディングの秘訣を伺う