サーフィン 小波攻略のポイント3つ #1

「波のサイズが小さくなると途端に乗れなくなる」力が弱く波が押してくれない小波に苦手意識を持つサーファーも、その特徴を理解すれば今より多くの波に乗ることができる。今回はポイント1「テイクオフのポジションを見極める」ポイント2「ボトムに下りきらず波の高い場所を目指す」の2つのポイントを伊藤プロに聞いてみた!


まず、小波の特徴を知る

よく「小波にはパワーがない」といわれるが、それはなぜなのか。まず最初に、そういわれる背景をもう少し詳しく考えてみよう。まず、波が小さいということは、その波を形作っている水の量が少ないということである。水の量の多さは波の速さと関係し、小さな波は水の量が少なく、スピードも遅くなる。その結果として「押しの弱さ」となってあらわれる。また、水の量が少ないと、たとえ波の形が良くとも、パワーのあるフェイス(=波のパワーポケット)が狭くなるので、波の上でのポジショニングは、大きな波と比べ、よりシビアになってくる。しかし小波にも小さいながらパワーはある。小波を攻略するには小さい波のパワーを最大限に活かすこと、さらに、足りないパワーを自分で生み出すこと、というふたつの視点が必要になってくる。


ポイント1 テイクオフ後に失速しやすい・・・

テイクオフのポジションを見極める!

ピークの奥からテイクオフし小さい波を有効活用する

小波でいちばん難しいのはテイクオフだ。力に乏しく押しの弱い小波の場合、サーフボードの上に立ったときには、波がブレイクし終わっていて、その先に走っていくべき波のフェイスがないという場面によく出会う。この状況を解決するため、伊藤プロはピークの少し奥から、テイクオフするように意識しているという。“奥”というのは、波を正面から見たときに、レギュラー(左方向)に乗っていく波ならピークの右側、グーフィー(右方向)ならピークの左側という意味だ。「テイクオフの位置を、波が最初に割れるピークの奥に少しずらすことによって、距離を稼げ、サーフボードに立った後もピーク部分にあるフェイスをより有効に利用することができます」


サイズのある波と違い、波のフェイスの面積が少ない小波。レギュラーの波ではテイクオフのポジションを正面から見て右に少しずらす。ピークからテイクオフするときと違い、加速するための場所をより広く確保できるのだ。


この波では、テイクオフの前段階でピークがすでにブレイクしようとしており、波が速いことが予想される。そのため進行方向に向かって斜めにテイクオフ。サーフボードの上に立ったタイミングで、ちょうどピークの下のフェイスに到達している。

ポイント2 波の面が狭くて走りにくい・・・

ボトムに下りきらず波の高い場所を目指す!

小波の中のパワーを得られるライン取りを常に意識する

「テイクオフをしたら、ボトムまでしっかりおりてターンすることが大切」とよくいわれるが、これはある程度サイズのある波での話。波の形にもよるが、小波でフラットなボトムまでおりきってしまうと、失速してライディングは終了してしまいがちとなる。フェイスが狭い小波だと、ドライブをきかせたボトムターンは繊細なポジショニングが必要となり、その先にショルダーやフェイスがあらわれることも少ないからだ。「どんな波でもワンターン目に深くボトムターンをしようとするのではなく、小波ではスピードをつけるため、あえてボトムにおりきらないというのも、ひとつの方法です。これからブレイクしようとする波の高い位置のパワーを利用しましょう」


ボトムまでおりても、その後に掘れたセクションが続かなければスピードに乗りづらい。小波では、少しでもパワーのある波の高い位置をキープし、浅めのターンをしながら横方向に進むことで、スピードを確保したい。


次回は、ポイント3「スピードは上体をかぶせて自ら生む」と、「サーフボードから考える小波の攻略方法」をご紹介します。

 

教えてくれた人  伊藤勝則プロ

いとうかつのり● 1978 年、千葉県生まれ。プロサーファー。168㎝、64kg。NSA 全日本アマチュアチャンピオン、学生チャンピオンを経たのち、プロへ転向。ハイパフォーマンス系からオルタナティブ系まで、あらゆるサーフボードをスタイリッシュに乗りこなすオールラウンダー。現在はジャスティスサーフボードでサーフボードの開発も手掛ける。


写真/高橋賢勇 取材・文/松永光人