【再掲載】冬サーフィンでは特に注意!放っておくと怖い「サーファーズイヤー」

節気の上ではめでたく”立春”。そう春なんです。が、今日明日と今シーズンで一番の寒さ….冷たい風が吹くと寒さが増して、体力が奪われるだけでなく、様々な問題が起こります。僕らサーファーにとってやぱり怖いのは”サーファーズイヤー”。予防しておくのに越したことはありません。
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真冬の到来とともに、水温も下がりサーフィンをするには寒い季節となってきた。手足は防寒対策をする方も多いと思うが、耳の防寒対策や耳栓をする人はまだまだ少ないのではないだろうか。寒い海にもガンガン入るサーファーが気をつけたいのがサーファーズイヤーという耳の病気。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?? この病気にかかると耳の孔が塞がってしまい、ひどい場合には音が聞こえなくなってしまう、サーファーに多い病気だ。この病気に詳しい茅ヶ崎耳鼻咽喉科クリニックの山本先生に解説してもらおう。

サーファーズイヤーとは?


サーファーズイヤーは耳の中の骨が増殖し、耳の中に骨のコブ(外骨腫)を作ってしまう病気です。正確には外耳道外骨腫といいます。冷たい水が耳の中に入ってくるのを防ごうとする身体の反応であると考えられています。外骨腫が耳の孔を完全に塞いでしまうと音が聞こえなくなってしまいます。大体20年以上のサーフィン歴があり、冬場でも海に入っている方に多く見られます。

サーファーズイヤー

正常鼓膜

サーファーズイヤー

外骨腫小

サーファーズイヤー

外骨腫中

サーファーズイヤー

外骨腫大

予防するためには?


サーファーズイヤーの予防には冷たい水が耳に入らないよう、耳栓や耳まで覆うキャップを被ることか有効かと考えます。外骨腫があまり大きくなく、症状がなければ経過観察でよいのですが、聞こえにくくなってきたら治療が必要となります。治療は手術が中心となります。

手術方法は?


手術は耳の後ろを大きく切開して後ろから外骨腫にアプローチする術式と耳の孔の中に切開を行い直接外骨腫にアプローチする術式の2種類に分けられます。いずれも顕微鏡下に手術を行います。それぞれの術式にはメリット、デメリットがあり、各施設の先生が得意とする方法で行っています。

ちなみに当院では①皮膚切開が小さく回復が早い。②合併症が少ない。といった理由から耳の孔の中からアプローチする術式を採用しています。手術時間は両耳で大体1時間程度。耳だけの麻酔で行っています。耳の中の傷が治り、サーフィンを再開出来るようになるには大体4週間程度が必要です。 サーフィンをしている方で耳の聞こえが悪い、耳かきが奥まで入らないなどの症状のある方は一度お近くの耳鼻咽喉科を受診して診察を受けてみるとよいと思います。

サーファーズイヤー

手術前

サーファーズイヤー

手術後

サーファーズイヤー

外骨腫

高性能なウェットスーツのおかげで、冬でもサーフィンする方が多いと思います。そんな方は、長く楽しくサーフィンをするためにはちょっと耳のことも気にかけてみてほしいと思います。

 

教えていただいたのは・・・
サーファーズイヤー
茅ヶ崎耳鼻咽喉科クリニック院長 山本英永
湘南・茅ヶ崎に2015年クリニックを開設。地元の人々に愛されており、自身もサーフィンを楽しむ根っからのサーファー。

茅ヶ崎耳鼻咽喉科クリニック
chigasaki-jibika.com
☎0467-59-4133
〒253-0085
神奈川県茅ヶ崎市矢畑725-1
休診日:水曜日、日曜、祝日


[サーフィンライフ2018年1月号掲載記事を再構成および再編集]