いつかは身に付けたい!より長く波に乗れる4つのテクニック

基本動作と合わせて身に付けることができたら、より長く、楽しくサーフィンができるはずだ。その上級テクニックを小林直海、加藤嵐の両プロに教えてもらおう。

1.波が途中で崩れたところでは、白波の上を越えながら加速する。


「アップス&ダウンズしていて、途中のセクションが崩れたときに使う上級テクニックです。ボトムターンの角度を緩めて横へ距離を伸ばしながら、前方から崩れてきた白波に乗り上げていきます。サーフィンでスピードをつけるには重力を使うことがとても大切。だからスープと呼ばれる白波に当てにいくにもこれだけ身体を落とし込み、重力を使い、かつ自分でサーフボードに荷重して加速させています。大概の波にはスープを抜けたら何かしらセクションがあるので、諦めないでスピードをつけながら走り抜けましょう。より長く乗れるようになるためには、まずはその意識を持つことが大事です(加藤プロ)」

加藤嵐プロ加藤嵐プロ加藤嵐プロ加藤嵐プロ加藤嵐プロ加藤嵐プロ

 

2.波のブレイクがスローになったら、サーフボードの進行方向を変える


「波にパワーがなくなり、このままだとセクションを抜けてしまいそうなので、少し戻って波が掘れるのを待つテクニックですね。この位置は斜面がかなり緩慢でスピードが出ない場所なので、レールをあまり入れてはいけません。ここでレールを入れ過ぎると推進力を失い失速してしまいます。無理に力をかけずにサーフボードの浮力で持ちこたえながら、後ろ足に重心を置き、前足の方には水が接しないようにターンをしています。ツインフィッシュだからできるアクションですね。スラスターなら波に張り付いて動かずに待っているのが精一杯な状況です(小林プロ)」

3.速く波が崩れるセクションは、レールをつかんで切り抜ける


「このテクニックはツインフィッシュやミッドレングスなどに乗っていて、ボトムで波が急に掘れたときに使います。反りが緩くて幅もある掘れた波に対応しづらいサーフボードなので、このような状況になると普通のライディングの体勢ではレールが入らず波を走り抜けられなかったりするんです。足元をすくわれないようにしゃがみながら、体重を落とし込むことで推進力を得てスピードを出しています。その際に岸側のレールをつかみ、波側のレールが抜けないように支えて、横に伸びるようターンさせていきます(小林プロ)」

小林直海プロ

 

4.波の最後のセクションは、最後のアクションの見せどころ


「最後のセクションを締める、いわゆるロールインです。スープを駆け抜ける技と似ていますが、それよりは体重を落とし込まずに、波に乗り上げると同時に降りていきます。技を仕掛けるときに大事なのは、波が前からやってくるのを焦らずに待つこと。アプローチを2テンポくらい遅らせるイメージです。そして波が閉じる瞬間に、目線と上半身を連動させてサーフボードを波の上に乗せていきます。勢いをつけるため波の上にいるときは前足にも体重を乗せて、波と一緒に落ちていくときに少しずつ後ろに重心を持っていく。そうすると着水のときにメイクしやすくなります(小林プロ)」

小林直海プロ小林直海プロ小林直海プロ小林直海プロ小林直海プロ小林直海プロ

 

基礎よりステップアップした内容になるが、是非来年の目標はここまでできるよう練習を積み重ねていこう。


写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 ライダー/小林直海プロ、加藤嵐プロ
[サーフィンライフ2018年11月号掲載記事を再構成]