海と波の基礎知識

『海』の基礎知識4ポイント

サーフィンのフィールドである海は自然がつくったもの。刻々と変化するからこそ波乗りは面白く、危険な面もある。楽しく安全に海を楽しむための基本を、サーファーで気象予報士の唐澤敏哉さんに解説してもらった。

教えてくれた人

唐澤敏哉さん/1972年北海道生まれ、湘南在住。サーファーム7家の波情報を提供する「波伝説」の気象予報士。10代でサーフィンを始め、現在も波がある日は数ラウンドをこなすグッドサーファー。

1.海には流れが(カレント)が発生することがある

岸に並行する流れや、沖への流れなど、海には流れが発生することがあります。沖への流れに乗ると岸に帰って来られなくなることもあるので、入る前に10 分程度は海を眺めて、人の流されている方向を確認しましょう。また人が入っていないところには強い流れがあることも多いので、初心者のうちは近づかない方が賢明です。

2.波のクォリティは干満により変化する

海には潮の満ち引きがあります。潮が満ちてくると砂浜が小さくなり、潮が引いてくると砂浜が大きくなります。干満のどちらが良いかはポイントによって異なりますが、潮の動きが大きい日は、それだけ大きくコンディションが変化することになるので、潮汐は事前にチェックしておくと良いでしょう。

3.雷には要注意

雷は最も危険な気象現象の1つ。海に雷が落ちると、水中はもちろん砂浜にいても感電することも。稲妻が遠くに見えたり雷鳴が聞こえたら、すぐ海から上がりましょう。

4.海は短時間で大きく変化するもの

波や風向きは思っている以上の短い期間で大きく変化します。さっきまで穏やかだった海が数分後には危険な状況になることもあるので、天気予報や波情報などを事前に確認することや、風や波の変化に敏感でいることがとても大切です。

「気象条件と波」について

波のエネルギーは、大きさの3乗に比例するといわれており、波のサイズが2倍になると、エネルギーは8倍。それだけ危険性も増すので、初心者サーファーなら波は大きめよりも小さめを選びたいもの。また風向きは陸側から吹く風であれば波が整い、沖から吹く風だと波が乱れるというのも覚えておきたいポイント。波はヒザ~コシくらい、風は陸からそよそよ吹くくらいが理想です。

 

『波』の基礎知識10カ条

波は地形や気象条件などの要因によって波のカタチやサイズは決まる。では、ビギナーが楽しめる波とは?千葉が生んだ日本を代表するトッププロの河野正和さんに伝授してもらおう。

教えてくれた人

河野正和さん/1969生まれ、千葉県太東出身。3度のJPSAグランドチャンピオンを獲得したサーフエリア千葉を代表するトッププロ。現在はJPSA理事として後進のバックアップに尽力。

1.湾や堤防に囲まれている場所を探す

湾や堤防に囲まれているポイントはウネリが入りづらく、周りよりも少しサイズが下がる傾向があります。波が大きすぎると感じたら、湾や堤防のあるポイントを選んでみるのが良いでしょう。ただし、堤防近くは流れがあることもあるので要注意です。

2.白波(スープ)に乗ろう

ウネリから立ち上がるには一定のパドルスピードが必要で、初心者のうちは波に置いていかれがち。そこでおすすめなのが、波が崩れた後にできるスープと呼ばれる白波に乗ること。波が切り立たないので、テールを押し上げられてノーズが刺さることもなく、急いで立ち上がる必要もないので、ゆっくりと立つ動作に集中できます。

3.波数は少なめがおすすめ

波数が多いと波を待つ場所を維持しづらく、波に乗ることに集中できません。のんびり待てるくらい波数が少ない方がオススメ。

4.ゆったりと崩れる波が乗りやすいことを知る

波には、急に切り立ってくる波と、ゆったりと崩れる波があります。前者は急いで立つ必要がありますが、後者はゆっくりと立ち上がってOK。急いで立つと体勢が崩れやすいので、後者の波を選びましょう。

5.足が着くところで入る

初めてサーフィンするなら足の着く場所が安心。最初はパドル力だけで波に乗るのは難しいので、まずは足で海底を蹴ってスピードを付けて乗るところから始めましょう。

6.大きすぎず、小さすぎず、適度なサイズがいい

サイズが大きいとボードのコントロールができず、波待ちのポジションも維持できません。あまりに小さいと波に乗ること自体が難しいのでヒザ~コシくらいが◎。

7.人が少ない場所を選ぼう

人の数が多いと、当然回ってくる波も少なくなります。できれば人が少なめの場所がベター。ただし、あまりに人が少ないところは、乗りづらい場所だったり、流れがあったりするので、注意が必要です。

8.できれば晴れている日に

天気もサーフィンを楽しむための重要なポイント。雨の日よりは、晴れている日の方が気持ち良いもの。また天気が良い日は視界も良いので、安全性も高いのです。

9.リーフではなくビーチへ

海底が石やサンゴで形成される場所の波をリーフブレイク、砂で形成される場所の波をビーチブレイクといいます。リーフでは足を切ったり、海底に身体を打ち付けて怪我をするリスクがあるので、怪我をしづらいビーチのポイントがおすすめです。

10.初夏から夏が始めるベストシーズン

水温が低すぎると身体が動きにくく、ウェットスーツも身体の動きを制限します。気温や水温が高まる6月ごろはサーフィンを始めるにはもってこいの季節なのです。

河野プロに聞く!初心者におすすめの地元・千葉のサーフポイント

ずばり太東と御宿・岩和田、両ポイントとも湾になっていたり、堤防があるなど、周囲とひかくしてウネリが入りづらく、厚めでゆったりとした波になりやすい。遠浅のビーチであるところも初心者には安心です。

太東

御宿・岩和田

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自分の身を守るため、そして楽しサーフィンをするために、これらの知識は常に頭の中に入れておこう。


取材・文/池田昌弘、鎌田啓祐
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