今年のカノアはやはり違う。安定感バツグン


昨日早朝、フィリペ・トレド(BRA)優勝で幕を閉じたWSL CT #5「Oi Rio Pro」。我らが五十嵐カノアは、このフィリペにクォーターファイナルで敗れ、5位でのフィニッシュとなりました。フィリペとのヒートでは、プライオリティ(優先権)を持つ事約20分、逆転可能なスコアリングウェイブと判断したあの早いチューブに挑みましたが、惜しくもメイクする事はできませんでした。しかし、カノアの判断は正しかったと言えます。結局あの後、まともな波が来ませんでしたからね。ここにカノアの今シーズン前半の好調ぶりが表れているのではないかと思います。ハードなトレーニングによるフィジカルUPもその要因の一つですが、とにかく冷静沈着、ちょっとやそっとではブレないマインド、タフな精神力でヘタな波には手を出さない。精神的な安定感がもたらすものだと思います。もともと持ち合わせていましたが、更に磨きがかかりました。
こちらは5戦終了までのTOP5の成績推移。はい、気づきましたね。カノアだけなんですROUND3で負けてないのは(他の選手の17位以外の成績も凄いけど)。TOP5でこれですから、全体ではいわずもがな。抜群の安定感です。コナー・コフィン(USA)が近い成績でしたが、今回はROUND 3で敗退してしまいました。

Photo ©WSL /Poullenot

今回の試合で印象的だったのはROUND OF16でジョアン・デュリュー(FRA)とのヒートに勝った時。小さくガッツポーズしてましたね。まるで、ここ一番の大事なパットを沈めてバーディーとったゴルファーのような。きっと今のカノアにとっては、ROUND OF 32をアップして9位になるのが最低限のパーな感じ、分かりづらい? 笑

WSLチャンピオンシップツアーは11戦中5戦を消化し、これから後半戦に望む訳ですが、これまでの安定した成績は後になって効いてくるでしょう。ジャンクなビッグウェイブやビーチブレイク、リーフのマシンブレイクにしっかり対応できているのは前半戦で分かりました。後半戦のキーはタヒチ・チョープーとハワイ・パイプラインではないかと思います。進化を遂げたカノアが、両ポイントが本領発揮した時のバックサイドのビッグバレルにどう対応するのかとても楽しみ。後半6戦のどこかで優勝、もしくはセミファイナルに2回残れば、ワールドチャンピオンレースに十分絡んでくるでしょう。早いのは十分承知の上ですが、カノアが今シーズンの目標としてセットした5位以内は確定かな?

Text:Yasuyoshi Ogawa