これまでプライベートや仕事で、恐らく一般の方より多く世界のサーフスポットに行ってきました(行かせていただきました)。その中で「どこにもう一度行きたい?」と聞かれれば、真っ先に南フランス・バスク地方と答えます。フランスとスペインの国境付近一帯のバクス地方には、ヨーロッパ随一のビーチブレイクとして有名で「クイックシルバー・プロ・フランス」の開催地である”ラ・グラヴィエール”を有するホセゴーをはじめ、多数のサーフスポットがあるんです。アメリカのサーフシティがカリフォルニア、オーストラリアがゴールドコーストとすれば、フランス(ヨーロッパ)それに当たるのがバスク地方なのではないでしょうか?そんなバスクに点在するブレイクをチョットだけご紹介。
ホセゴーのビーチはスケールのでかい九十九里と想像していただければ。でもビーチというより砂丘に近い。砂はとても細かく、やや粘度あり重い。この砂が長いコーストラインの至る所に良質なサンドバーを形成します。ビーチが面する大西洋はすぐ沖に行くといきなり海峡が深くなっているそうで、そこから浅い棚にヒットしたウネリがパワーのあるブレイクを生み出すというわけです。
前回の旅ではこのホセゴーではなく、車で約一時間ほどのリゾート地”ビアリッツ”のビーチフロントに宿泊。ホセゴーが九十九里なら、ビアリッツは湘南・鎌倉といった感じ。でもやはり何もかもがスケールがでかいんです。
ビアリッツだけでも十分にサーフィン可能ですが、少し足を伸ばせば、本当至る所でできそうな波がブレイクしていて、とにかく波は豊富。そして、何より独自のサーフカルチャーがしっかりと根付いています。あのトム・カレンが数年間住んでいたというのも十分頷けます。
もちろん、ビーチブレイクだけではありません。リーフや他がデカすぎる時にウネリをかわすポイントまでしっかり完備 笑 レベルは初心者からビッグウェイブのエキスパートまでが楽しめるのがバスク地方の懐の深さ。
アクセスは成田からパリ・シャルル・ド・ゴール空港で国内線乗り換えで約1日かかります。はっきり言って行くのは楽ではありませんし、それなりの渡航費、滞在費も掛かりますが、必訪の価値あり。
そんなバスク地方のホセゴーでは現地時間の10月3日よりウェイティング・ピリオドがスタート。ROUND1にいきなり五十嵐カノアが登場し、イタロ・フェレイラ(BRA)、コロヘ・アンディーノ(USA)と注目ヒートが続きます。時差は日本の方が約7時間進んでますので、ネットライブ観戦も楽。ワールドチャンピオンレースも終盤に差し掛かり、また来年のクォリファイを目指す選手達にはフランスから始まる残り3戦が正念場ですので、熱戦が繰り広げられるでしょう。現地の秘密特派員によれば、サンドバーもバッチリでスウェルも期待できるとのことなので、楽しみにファーストコールを待ちましょう。それにしても、やっぱもう一回は行きたいな〜 、それでは、À bientôt !!
All photo by Yasuma Miura
Text : Yasuyoshi Ogawa