一度は見に行きたい、ビッグウェイブスポット ジョーズ


サーフィンの聖地として、多くの人々に知られるハワイ。
その中でもWSL メンズCTの最終戦が行われるパイプラインを始めとるすノースショア、
島屈指のビッグウェイブスポット、ワイメアなど数多くの有名サーフスポットが点在する。
我々にもお馴染みのファンウェイブ、ワイキキからエキスパート・オンリーの場所まで皆さんが思い浮かべるハワイの波はほぼオアフ島のスポットだと思う。

そんななか、先日WSL ジョーズ・チャレンジが行われたピアヒ(通称ジョーズ)はマウイ島にある。女子CT最終戦が行われたホノルアベイもマウイ島のサーフスポットだ。
(ホノルルからならば、カフルイ空港(マウイ)までおよそ40分程度の空の旅でマウイ島に行くことができる)

マウイ島は風も強く、ウィンドサーフィンのメッカとしてのイメージが強い。その他、ホエールウォッチングやスノーケリングも人気で昔ながらのハワイの姿を垣間見ることもできるツウ好みの場所。マウイ島は2つの島が噴火により繋がり、独特の地形から渓谷の島とも呼ばれている。

泣く子も黙るジョーズのビツグウェイブ。我々一般サーファーには馴染みのないジョーズだが、一生に一度くらいはかの有名なスポットの迫力を自分の目でみてみたいものだ。

まずジョーズに波が立つタイミングを当てるのが難しい。シーズンは日本の冬11月後半〜2月くらいまで。
波の大もとは日本の千島列島やアリューシャン列島の近くで発達した冬の強い低気圧によって作られる。
いわゆる西高東低の冬型の気圧配置が強まる際は要注意。特に急激に冬型が強まった際、日本上の等圧線の間隔がせまい時、数日後ハワイに強烈な波が届く合図になる。

この低気圧(台風並の嵐)によって作られた波(強力な風によって起こるスウェルのもと)は遥か5千-6千キロ太平洋を旅し途中急激に浅くなる場所、ハワイ諸島にビッグスウェルを届ける。まさにダイレクトな外洋のハイパワースウェルがハワイ諸島の北側のリーフにヒットすることで生まれる。そのため、ジョーズを見るためにはイチかバチかでマウイ島を訪れるしか方法はないだろう。


<引用:Google Map

いざマウイに降り立ってもジョーズ(ピアヒ)へのアクセスはかなり険しい。カフルイ空港(マウイ)を起点に考えると上記の感じになる。問題はメインの道路より、海までオフロードの道が4キロほど続くことに(右上の青色が鋭角に曲がっている所から少し進むとオフロード)。
車のすれ違いもできるかどうかの細い舗装されていないパイナップル畑の間にある道を進み、スポットの近くには駐車場がほぼないこと(駐車スペースは極僅かで、皆さん畑の脇に路駐)が極め付け。
トイレ、シャワーなどの施設もないので、ツーリストはメインロードの墓地の前の駐車場などに車を停めて、歩いていくのが賢明かもしれない。
玉石というか巨大な石がゴロゴロしている下側まで行くことも可能だが、何度も通った方さえ足を滑らすので崖の上から見学するのが無難。あんな急で足場の悪いところを10キロを優に超えるガンボードを持ち降りていくエキスパートには頭がさがるばかり。本当に命懸けであの波にチェレンジする人以外はパドルアウト出来ない場所だ。

先日ピアヒで行われたビッグウェイブ・チャレンジを観戦するために現地を訪れたカメラマン曰く、
「今回は墓地の近くの駐車場にレンタカーを停めて徒歩で向かいました。時間にして1時間15分近く。日頃、山系の仕事で重いカメラ機材を背負いトレッキングしながら撮影することもありますが、なかなかの距離に感じました。何より足元がぬかるんでおり苦労しましたね。でもあの細い道とぬかるみ、対向車の数を考えるとレンタカーでは行く気になれないです」とのこと。

今では撤去されたがぬかるみにはまった車が道を塞いでいたり、畑に落ちた車なんかは今でも放置されているらしいですよ。
        (一部の方以外は皆さん椅子やクーラーボックスを担いで見に来ていたようです)
             (茂みに見えるのは…….そう、横転した車です)

ただ、幸運にも波が立ったジョーズを見れたとしたら一生忘れられない思い出となるでしょう。


マウイ出身のサーファーといえば、パーフェクトウォーターマンのカイ・レニー、先のジョーズ・チャレンジで優勝したビリー・ケンパー、ダスティ・ペイン(元CTサーファー)、マット・メオラ、アルビー・レイヤー、クレイ・マルゾなど個性的なサーファーが揃う。もしかしたら彼らのライディングを間近で見れたり、島のどこかの波をシェアできたりするかもしれない。


写真/熊野淳司