一般サーファーの「サーフな悩み」をプロサーファーたちがお悩み解決!
その1「もっと長く波に乗っていたい!」
昨年、映画の撮影で約8年ぶりにショートボードを手にした俳優の吉沢悠さん。サーフィンのキャリアは20年を超えるが、改めて知ったショートボードの乗り心地にすっかりハマってしまったという。そんな吉沢さんのサーフな悩みは「いくら練習をしてもなかなか長く波のフェイスを走ることができない」というものだ。サーフィンをする者ならば誰もが波のフェイスをロングライドしたいと思うはず。
そこで、スタイリッシュなサーフィンで定評のある小誌でも活躍中の小林直海プロが吉沢さんのライディングをチェックしアドバイスを送る。
アドバイス前のライディングがこちら
小林プロが気になったポイントは2つ。
- テイクオフのときの目線とノーズの向きが違う
- レールを切り替えすときのハンドムーブが小さい
これらを踏まえてそれぞれ詳しく解説していく!
テイクオフをするときは、視線とノーズを進行方向へ
テイクオフで大事なのはまず目線。進行方向を見る必要があります。しかし吉沢さんの目線は真下を向いている。これでは次の動作への始動が遅れてしまいます。
特に今日のような厚くてフェイスが張らない波のときは、ボトムに降りきる前に波のトップへ戻り、加速していくのがセオリー。なるべく早く横へ走ることが大切で、目線の向きに加え、レールを素早くセットするためにノーズを進行方向へ向けてテイクオフすることもポイントです。
腕の動きをもっと意識してサーフボードを走らせたい
波のトップに戻りたいのに、先行動作が小さいためサーフボードが反応していません。もっと右腕を後方へ引っ張り、左肩を波側に向けられれば、サーフボードも連動してレールが入り、ターンしていきます。
イメージとしては波のフェイスに胸を正対するようにすること。するとレールが入りターンが伸びます。上半身の動きが下半身に連動し、サーフボードを動かすことにつながることを忘れないように。そして視線は進行方向へ、です。
アドバイス後の吉沢さんのライディング
「パドルから進行方向を見るように意識しました」という吉沢さん。その言葉通り、視線を落とすことなくテイクオフに成功。先ほどよりも早いタイミングでサーフボードを進行方向へ向けライディングしている。
小林プロのお手本
アドバイス後の吉沢さんとくらべ、小林プロはテイクオフをした後すぐにレールを入れ、右腕を引くことで胸がフェイスに正対していることがわかる。さらに右手を返すことで左肩をリードにし、下半身を連動させトップターンを決めている。課題をひとつ克服した吉沢さんではあるが、 さらに早いテンポでレールを入れることができればロングライドが可能になる。
直すべき点がわかればあとは練習あるのみ!皆さんも参考にしてみては!次回はテイクオフ後の「ハンドムーブ」に着目してアドバイスを受ける!
[2019年7月号掲載の記事を再構成]
写真/高橋賢勇 取材・文/石塚隆