アタマ以上を攻略するQ&A 10選

波が大きくなると当然パワーは増し、カレントは強くなる。ボトムまでの角度は鋭く、恐怖心が芽生えることもある。しかし、そう構える必要はない。焦りこそが最大の敵なのだ。

 

Q1.パドリングの心構えはありますか?


A アウトに出るときや横移動などは通常の波と同じ。ただしテイクオフのときは、自分の力で乗ろうとするのではなく、向かってくる波の力を利用する意識を高めましょう。波はトップで割れたあと下方へ落ちていくため、ノーズを沈めるようにパドリングしないと、サーフボードが反応せず、波に飛ばされてしまいます(大澤プロ&小林プロ)。

 

Q2.パドルアウトで注意することは?


A アウトに出るときや横移動などは通常の波と同じ。ただしテイクオフのときは、自分の力で乗ろうとするのではなく、向かってくる波の力を利用する意識を高めましょう。波はトップで割れたあと下方へ落ちていくため、ノーズを沈めるようにパドリングしないと、サーフボードが反応せず、波に飛ばされてしまいます(大澤プロ&小林プロ)。

 

Q3.テイクオフで躊躇してしまうのですが……


A 怖いのはわかりますが、その躊躇がテイクオフを遅らせます。結果、波が崩れる寸前や中途半端な場所でテイクオフすることになり、波のパワーに負けて失敗する可能性が増えます。大きな波は押し出す力が強い分、うねりからしっかりスピードを合わせて、ピークの正しい位置からテイクオフする必要があります(大澤プロ)。

 

Q4.大きな波のときに普段以上に意識していることは?


A ボトムターンです。ボトムに降りたとき、レールを中途半端に入れると大回りしてしまうので、より体勢を低くし、レールを立てた状態で鋭角に波のポケットに入ります。そうすると波のスピードを殺さなくてすみます(大澤プロ)。

A 僕は基本的にハイラインを走った上でのダウンザラインが好きなので、大きな波でも同じように走っています。ただし、波のフェイス全体を使うように意識しています(小林プロ)。

 

Q5.テイクオフ後はどこを目指せばいいですか?


A すべては波の状況によります。単にボトムに降りるといっても、真下だったり少し斜め下だったり、さらに横だったりとさまざま。多くのパターンがあることを知り、それらを実践することで、いろんな波に乗れるようになると思います(大澤プロ)

 

 

Q6.波に巻かれるとすぐに意気があがってしまいます。


A 急いで水面に上がろうと焦ると呼吸が乱れ、息の上がる原因に。巻かれたあとは必ず身体は水面に上がるので冷静になりましょう。足の着く場所では砂を蹴って上に、深いときは身体がふわっとあがるタイミングで軽く水を搔いてみてください。(大澤プロ)

A プロで波に長く巻かれるともちろん苦しいです。その状況にならないために、波のインパクトゾーンや渦が巻いている場所では絶対にワイプアウトしないように心がけています。波を知ることが、波に巻かれる回数を減らす秘訣でもあります。(小林プロ)

 

Q7.ビーチブレイクとリーフブレイクでのテイクオフの違いは何ですか?


A リーフブレイクはポイントブレイクなので、ある程度波の割れるパターンを予測できます。対してビーチブレイクはいろんな場所で波が割れるし、時間によって変化もする。そのためピークを判断しづらいです。波を探すためのアンテナをより張りめぐらせる必要がありますね。テイクオフのやり方は基本一緒です(大澤プロ)。

 

 

Q8.“アタマ以上”の波に巻かれたときに注意することは?


A 絶対に焦らないこと。頭を両手で覆い、サーフボードが当たらないよう注意すること。水中から出た後はすぐに次の波の状況を確認しましょう。横へ逃げるのか、ドルフィンしてアウトへ向かうのか、など素早い判断をすることが必要です(大澤プロ)。

A 体力が奪われそうなときは、そのままビーチに上がることもあります。焦らず、状況を冷静に判断することが大切です(小林プロ)。

 

Q9.毎回ボトムに降りて終了。何が問題なのでしょうか?


A テイクオフだけに集中してしまうと、目線は下に向きがちです。テイクオフをした後、自分がどこを走っていくのかを事前に想定し、テイクオフすることが大切です。その結果、身体も目線もサーフボードも、自分が定めたラインに向かっていくはずです(大澤プロ)。

Q10.何かトレーニングはしていますか?


A 肺活量を上げるために走ったり、プールで潜ったりしていました。大きな波にはいきなり入れるものではないと思うから、少しずつ挑戦する波をサイズアップさせ、身体に慣れさせていくのがいいと思います。以前ケリー・スレーターが「その日一番の大波に乗ってわざとワイプアウトする」と言っていたのを聞いて、僕も実践していた時期があります。そうやって波のパワーを身体で覚えていくことが大事。僕も何度も失敗した上で経験値をあげてきました(大澤プロ)。

A 僕にとってはたくさんサーフィンすることがトレーニング。海に入れないときは、サイズのある波でのサーフィン映像を見て、どんな風に乗っているかを研究します。自分に取り入れられるものなどは繰り返し見る。あとはストレッチを取り入れ、身体の柔軟性を高めています(小林プロ)。


サーフィンライフ2020年1月号の内容を再構成
写真=高橋賢勇 編集・文=菅 明美 文=高橋 淳