サーフィンのお悩みを仲村拓久未プロが解決  Vol.4 波選びのポイント、レールを入れるのが難しい、薄くて短いボードに乗れない


Q.波選びのポイントを知りたい

A.何度も海に通い、感覚を養うこと
トロい波や速い波、ダンパーなど、波の形はさまざまな上、サイズやセット間 隔なども日によって異なる。さらに風の影響も受けるなど、波は実に複雑だ。面が整いやすいオフショアを好むサーファーが多いが、プロの中にはオンショアはコブがたくさんあって楽しいという人もいる。いい波かどうかの基準は人によってさまざま。レベルによっても波選びは異なる。初心者にとっては肩~頭などの波はヘビーだが、上級者にとっては楽しい。自分の力量を冷静に判断し、自分に合う波を選び、成功や失敗を体験しながら波を見る目を養っていこう


Q.レールを入れるのが難しいです

A.ボードやフィンを見直すのもアリです
レール幅が自身の力量と合っていない場合もあります。レールは薄い方が入りやすいので、他のボードでも試してみてはどうでしょう? もしくはフィンが小さいのかも

Q.薄くて短いボードに すると乗れません

A.自分に合ったボード選びが重要です
薄くて短いショートボードは反応の良さが魅力ですが、どう しても不安定になりがち。ミッドレングスなどと比べると浮 力もなく、急に乗れなくなることはあると思います。絶対に ショートボードに乗りたいのなら話は別ですが、基本的には 自分の体重に合うボードを選ぶのが一番だと思います


Q.ピークの見極め方を知りたいです

A.一番波が立っている場所を探しましょう
ピークとは波が切り立った部分のこと。この場所からブレイクする波が最もパワーがあるため、テイクオフした瞬間から最大のスピードを得ることができる。よりサーフィンを楽しみ、波乗りを上達させるためにもピークからテイクオフすることを心がけたい。ピークの見極めはサーフィンにとって不可欠なのだ。「波がボコッと盛り上がっていて、まだ右にも左にも崩れていない場所がピークです。多くの人はその後の崩れた波に乗ろうとしますが、一番波が立っていてきれいに割れるピー クが一番パワーがあり、サーフィンでのスピードを得ることができま す。ある程度サーフィンをしている人なら理解できると思いますが、横に走れるなと思う場所こそがパワーゾーン。そこを狙いましょう」

Q.トロい波には置いていかれることが多いです

A.沖で乗りすぎているのかもしれません
「トロい波で置いていかれる人は、沖から乗りすぎてしまっているか、波のパワーがないところを走っている可能性があります。波をキャッチする場所を間違っているので、波がしっかりと立ち、パワーのある場所からテイクオフをし、パワーゾーン を走り続けましょう。トロい波ではパワーを得ようとしゃがんだり、身体を縮めてしまうかもしれませんが、それは力みの要因に。こういう波では、胸を上げておく方がスムーズに走りますよ。また、波の上部でパンピングする人も多いですが、そ れも置いていかれる原因。波を使ったライディングを心がけましょう」


Q.セット間が短い波だとスムーズに沖へ出れません

A.その日のセット間を把握して、行動を
波が次々と押し寄せてくると、何度もドルフィンスルーをしたり、ス ープをくらったりと体力を奪われがち。ここで体力を消耗してしまっては、大事なライディングにも影響が出るため、効率良くアウトに出たい。「サーフィンでは、海に入る前に波をよく観察することが大事です。しばらく海を見ながら、その日の波の状態、セット間隔などを確認しましょう。セットはずっと入り続ける訳ではなく、数本で一度収まります。その日は、だいたい何本入っている のかを把握して、あと3、4本で終わりそうなタイミングでパドルアウトし始めましょう。そしてセットがこないタイミングで一気にアウトへ。これが一番スムーズな出方です」


Q.スポンジボードでもアクションはできますか?

A.長さやサーファーの技量にもよります
怪我や破損の心配が少なく、浮力 たっぷりのスポンジボードは、初心 者から子供まで扱いやすいのが魅力。 最近ではセカンドボードとして所有 するサーファーも増えてきた。混雑 する夏の海ではさらに需要が高まり、 目にすることも多くなるだろう。「かなり短いボードなら、動かすことは可能だと思います。 6や7フィート代になってくると、ある程度サーフィンができる人じゃないと動かしづらいかもしれません。スポンジボードはレールがかなり厚いので、レールを入れたサーフィンは難しい。ただし、これで練習していつものショートボードに戻した時、かなり動かしやすく感じると思います。そう考えると、練習にも良さそうですね」


TEACHER
仲村拓久未プロ
なかむら・たくみ●1996年生まれ。三重県出身。16歳でプロデビ ューし、19歳でJPSAのグランドチャンピオンに輝く。アグレッシブでスタイル溢れるサーフィンが持ち味。現在は拠点を湘南・鵠沼に移し、サーフィンスクール事業を展開するなど、幅広く活躍している。

こちらの掲載内容は2021年サーフィンライフ9月号を再編集し掲載しております。

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