サーフィンのお悩みを仲村拓久未プロが解決  Vol.2 テイクオフ、膝立ち解消、パドリング、パーリング

Q.テイクオフのパドリングは どこまでやればいいの?

A.ボードが進み出すまで続けましょう
「ブレイクする波よりも自分が前に進 み、ボードが走り出せばテイクオフのタイミングです。その時にはボードの上に立つ意識に移行するので、自然とパドリングをやめて、ボードの上に手を置くはず。パドリングをやめるタイミングに意識を向けず、ボードが滑りだしたらテイクオフ! これを頭に入れておきましょう」


Q.テイクオフ後の動きがわかりません

A.「テイクオフの次は横に走ることを考えましょう。より長く波に乗ることができます。ボードの上に立った時に滑りたい方向に進めないのであれば、目線と身体が連動してないのかもしれません。身体とボードと目線の方向がバラバラになっている初心者の方は多く見かけます。サーフィンは目線がとても重要です。ボードを横に進めたいのであれば、テイクオフをする時点で、目線を横に向けておく必要があります。まずはしっかりと横に走れるようになること。次のテクニックの習得はその後から考えていくといいと思います」


Q.テイクオフ時に足が前に出ません

A.「膝で立ってしまっているのかもしれません。ボードの上に膝を立ててしまうと、前足をぐっと前に出すことができません。もしそれでテイクオフが成功したとしても、膝をボードに付いた後に足を前に出しているので、行動は2段階に。それはタイミングの遅れとなり、次のテクニックにも影響が出ます。股関節の硬さや足を引き付ける力の弱さが原因だと考えてしまう人もいるかもしれませんが、それは全く関係ないはず。僕の身体はめちゃくちゃ硬いです。単純に膝を付く癖がついているだけなので、1、2、3とテンポ良く立てるように陸で練習してみましょう。改善されると思います」


Q.テイクオフでパーリングしがちです

A.ボードに乗る位置や タイミングをもう一度見直してみましょう
「シチュエーションにもよりますが、初心者の場合だと波が見えてないのかもしれません。自分がパドルし始めたよりも早く波を超えてしまってテイクオフをしている、もしくは立つことに集中して目線が下になっているなどが考えられます。ボードに寝転んでいる時にノーズ側に身体を置きすぎてもパーリングの原因になります。ボードに乗る位置や目線の改善で、多くのパーリングは回避できるはず。正しいボード位置を知るためには、何度も波に乗ってみて、自分で微調整をして、ベストな位置を探るしかありません。ホレた波でもトロい波でも基本のボ ード位置は変わらないはず。上級者になると波によって身体の位置を微調整する人も多いですが、僕は基本的に一緒。ホレた波の時は、ボードを抑えて、立てる位置まで滑らせるといいですよ。初心者はボードが滑るとすぐに立ってしまいがちですが、写真のようにすぐに立たないでボードを抑えながらスピードを出していく。するとスピードに乗った状態でボード の上に立てるので、次のテクニックもスムーズに運べます」



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仲村拓久未プロ
なかむら・たくみ●1996年生まれ。三重県出身。16歳でプロデビ ューし、19歳でJPSAのグランドチャンピオンに輝く。アグレッシブでスタイル溢れるサーフィンが持ち味。現在は拠点を湘南・鵠沼に移し、サーフィンスクール事業を展開するなど、幅広く活躍している。

こちらの掲載内容は2021年サーフィンライフ9月号を再編集し掲載しております。