デザインが変わればボードの動きは変わる!攻略のポイントは?~ショートボードの場合~

ボードデザインによって加速する方法は千差万別
使用するサーフボードによってアプローチ方法、適する波は変わってくる。車で例えるならば、レーシングカー、乗用車、バスに軽トラなど、車種ごとに運転の方法や最適な用途が異なるのと同じことと言っていい。ボードデザインに対する基本的な〝走らせ方〞を紹介する。デザインによって動かし方は変わり、波によってパワーゾーンのあり方も変わるため、サーフボードに合わせた乗り方を知ることは、スピードを手に入れるうえで不可欠な要素となる。そしてさまざまなデザインのサーフボードを楽しめるようになれば、波の見え方が幅広くなり、サーフィンの上達を促すことにもなる。今回は、「ショートボード」「スラスター」の2種類のボードについて、辻裕次郎プロにお話しを伺った!

スラスターの場合


激しいオフザリップやエアリアルなど、ハイアクションをメイクすることにフォーカスされた最新のデザインコンセプトを持つモデル。(173×47×5.6㎝)
スラスター

波の高低差を活かす

「まずは波の際どい位置からのテイクオフを心がけましょう。ボード全体のボリュームを抑えているため余計な抵抗は受けにくく、立ち上がった瞬間からスピードを得られます。そしてボトムまで深く降り、3 本のフィンを使いえぐるようなボトムターンで加速する。そのスピードを爆発させてトップアクションを行うのがスラスターの乗り方のセオリーです。波に対して正しいポジションが取れたときのスピード感は、断トツの速さです。」(辻裕次郎プロ)

細かく動けてスピードが出しやすい

「波の面が綺麗なら、ボードのレールやボトムを使ってターンをしていけます。そしてスラスターはフィンをきっかけにしても走っていけるので、フェイスが荒れている波や小波でも、ボードを浮かせながらフィンを使って加速していくことができます。クイックな動きもできて、より波の上で自由に移動できる。どのような波の状況でも対応はしやすいですね。

ライディング中に狙っていく場所は、波の力が一番あるポケットです。ポケットの場所を見極めるヒントは、ブレイクする前に水が溜まっていく水量の多いところを見つけること。そこから波は切り立ち、ブレイクしていくためで、ポケットからポケットへ移動することが加速する秘訣となります」(辻裕次郎プロ)


1.アップスアンドダウン

次のポケットまでポジションを持っていくつなぎのテクニック。波に力のないセクションにおいて、一番加速できる波のトップ近くでフィンを使いながらも、できるだけレールで走っていく。
アップスアンドダウン

2.ボトムターン

技に入る前に必要不可欠なターン。波の状況に応じてその深さを調整する。角度を変え波のトップへ向かうには、写真のようにしっかりとボトムに降り切って膝を入れてターンをする。
ボトムターン

3.パンピング

波が小さくパワーのない場所でもフィンを使って走っていけるテクニック。ボードが余計な抵抗を受けないように浮かせながら、次のポケットを探してリズミカルに加速しよう。
パンピング

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