小波攻略のポイント3つ #2

前回の小波攻略のポイント3つ #1では

ポイント1「テイクオフのポジションを見極める」
ポイント2「ボトムに下りきらず波の高い場所を目指す」

についてご紹介しました。今回はその後のスピードの出し方と、サーフボードから考える小波の攻略法をご紹介します。

ポイント3 スピードが出しにくい・・・

スピードは上体をかぶせて自ら生む!

前足加重になるための重心の下げ方を知る

小波での加速には波から得られるパワーを利用し、かつ自らスピードを生む必要がある。そのきっかけとして伊藤プロは「頭と上体をかぶせている」という。スピードをつけるため「前足加重にする」とよくいわれるが、理由のひとつは、ボードの下を流れる水を一気に後方へ流すため。頭と上体の重さを使うと、その状態を効率良く生み出せるという。「波のトップからボトムへおりる際、前足に加重できるように重心を低くすることが大事です。しかし、そこで腰を落として重心を下げると、実はあまり加重ができません。腰の位置はある程度高く保ちつつ、頭と上体を前足の上に思いきりかぶせることで重心を下げると、斜面を下っていくときの重力と自分の体重を、スピードへとうまく変換できます」

小波
ボトムからトップへ行くときも、上半身は前傾を保つ。2枚目の画像では、上半身の角度は変えず、膝を上に引きつけることで、波のトップへと向かっていることが分かる。腰も高い位置をキープし、体の上下のブレを抑えている。

小波
引きつけた前足の膝の真上に、頭の位置が来るほど上半身をかぶせることで、上半身のすべての体重を前足にかけ、スピードを生み出している。2枚目の写真で、ボードの下から後方へ、激しく水が飛び出しているのが分かる。

サーフボードから考える小波の攻略法

胸~肩のファンウェイブなら、ある程度どのようなサーフボードでも楽しめるが、こと小波となると、サーフボードが果たす役割はかなり大きい。波数に多く乗るということを考えるなら、浮力のあるデザインを選ぶことが一番近道だ。

小波用サーフボード

例えば、小波に向いたボードとして定番なのがツインフィッシュ。上写真左にある「ジャスティスサーフボード」のファローモデルのようにグライド感とパフォーマンス性を両立させたモデルも人気だ。また、写真右のようなソフトボード(「ワエバ」のフラッグモデル)でリラックスサーフというのもいい。こうした、波に合わせたサーフボードを選ぶという視点を持てれば、より一層、小波を楽しむことができる。

右/「ワエバ」フラッグモデル(7フィート(213㎝))

yマニューバーライン ☎ 03-5245-3113 www.maneuverline.co.jp
左/「ジャスティスサーフボード」ファローモデル
yミッション ☎ 043-462-2950 www.justicesurfboard.com


教えてくれた人  伊藤勝則プロ
伊藤勝則プロ
いとうかつのり● 1978 年、千葉県生まれ。プロサーファー。168㎝、64kg。NSA 全日本アマチュアチャンピオン、学生チャンピオンを経たのち、プロへ転向。ハイパフォーマンス系からオルタナティブ系まで、あらゆるサーフボードをスタイリッシュに乗りこなすオールラウンダー。現在はジャスティスサーフボードでサーフボードの開発も手掛ける。

写真/高橋賢勇 取材・文/松永光人