青い海と白い砂浜にいい波。春夏秋冬パラダイス下田
東京駅から電車だと3時間弱、車だと渋滞がなければ都心から4時間程度でアクセスができる伊豆・下田。それでいてコンスタントに波があるこの地のサーフポイントとその魅力をご紹介します。
週末のサーフトリップの参考にしてみてください!
この記事の目次
白浜
ビギナーからエキスパートまで受け入れる懐の深さ
国道135号の眼下に広がることからも、白浜は下田エリアでもっともメジャーなビーチと言っていい。そのため海水浴シーズンになると多くの人が押し寄せる。が、サーフィンエリアは区分けされるので、安全に波乗りを楽しめる。ビーチの大きさは下田最大。大きく3つのポイントに分けられ、海に向かって右側が岩切、中央が河口、左側が神社前と称される。全体的な特徴について、白浜マリーナの酒井厚志さんに話を聞いた。
「ビーチが広いから、そこまで混まないですね。地形が良いときは3、4ヶ所で波が割れます。左側の神社前は岩の上に鳥居が立っているんですけど、沖に向かっても根があるから潮の引いてるときは良いグーフィーがブレイクします。右側の岩切にも根があって、ウネリが入ると良いレギュラーが割れる。河口はビーチブレイクなのでビギナーでも楽しめます」また、アイリーサーフの今村厚プロは、「西風がオフショアなので、北東から西に風向きが変わった瞬間を狙うと、素晴らしい波に当たります。特に岩切のレギュラーが最高。ほかがクローズしてもあそこだけは残るんです」と中上級者に向けたアドバイスをくれた。駐車場も多く、ビギナーからエキスパートまでを受け入れる懐の深さが、白浜の魅力である。
ホテル伊豆急
白浜海岸の目の前にそびえ立つホテルだけに、ビーチまではもちろん歩いてすぐ。伊豆最大級の露天風呂が、波乗り後の疲れを癒やしてくれる。
住所:下田市白浜2732-7 ☎ 0558-22-8111
www.hotel-izukyu.co.jp
下田プリンスホテル
白浜神社北側の白浜中央海岸に位置し、ホテル前は通称「プリンス前」と呼ばれるサーフスポット。オーシャンビューの展望温泉からは絶景が楽しめる。
住所:下田市白浜1547-1 ☎ 0558-22-2111
www.princehotels.co.jp/shimoda/
多々戸浜
世界レベルのサーファーが育った最高級のビーチ
国道136号を曲がり、言わずと知れた大野修聖プロを輩出したショップ「バグース」を右手に見ながら直進すると、多々戸浜のビーチにたどり着く。特に有名なポイントと聞いていたのだが、ビーチに直行できる宿泊施設があり、市営の温水シャワーが常設されていることなども踏まえると、サーファーを受け入れる体制が整ったビーチなのだと感じた。
バグースでスタッフを務める山中峰喬さんに、ここ多々戸浜の魅力について話を訊いた。「一年のうち300日はサーフィンができます。こっちの方言で北東の風のことを〝ならい〞って言うんですが、このエリアはならいが吹きやすい。入田浜も大浜も東を向いているから、北東の風が入ってくるとオンショアになってしまうんですけど多々戸浜はかわせます。さらに、下田エリアでもっとも地形が安定していると思います。また、僕は東京出身なので湘南でサーフィンを始めたんですけど、梅雨時期になると湘南はもちろん千葉も波がない。でもここは、梅雨前線の影響で吹き込む南西の風に反応しやすい。力はないけど、梅雨の時期でも意外と波があることは、17年前に移住してからずっと思ってることですね」大野修聖を生み出したビーチは、やはり最高級の環境を備えていた。
下田大和館
多々戸浜を見下ろす絶景オーシャンビューが楽しめる宿。館内から直接ビーチに出られシャワーも完備しているので、快適なアフターサーフも含めて波乗りを楽しむことができる。海を眺めながら露天風呂に浸かる時間は、まさに極楽だ。
住所:下田市吉佐美2048 ☎ 0558-22-1000
www.shimoda-yamatokan.co.jp
温水シャワー
下田市が運営している温水シャワー。テーブルなどが設置されているスペースがあるため、着替えも快適に行える。シャワー室は6室、200円で5分使用可能。
下田市観光交流課 ☎ 0558-22-3913
入田浜
岩を挟んだ両サイドで異なる質の波が楽しめる
青い海に白い砂浜はほかのビーチ同様に美しく、海岸沿いに自生したソテツの並木が南国ムードを醸し出す。テレビやCM、映画のロケ地としても利用されるほど美しい景観を誇り、サーファーにかぎらず、家族連れやカップルからも強く支持されているビーチだ。
そんな入田浜からほど近い場所でピンクマフィアを営む小川啓プロに、その特徴を伺ってみた。「近いから入田で入ることが多いんですけど、波質的には速めの波が多いですね。真ん中に大きな岩があって、右側のほうが優しくて、左側は強い波。なおかつカレントが入りやすいから注意が必要なんだけど、砂が溜まることでいい波が立ちます。吉佐美は南風が吹くとオンショアになっちゃうからダメなんですけど、右のほうが崖になってて風をかわしてくれます。西風でも全然いい波が立つ。ならい(北東の風)だけですね、あまり良くないのは。多々戸とは条件が違いますが、入田のほうが断然空いてるし、ウネリが入ってきたときは左側のほうの岩にぶつかって波がよれるんです。波が大きいと、そのよれがグーフィーのチューブを生み出すことがあるんです。そういうときは、すごく楽しいですね」異なった波質が味わえる稀有なポイント。それが入田浜だ。
独特なポイント形状。センターの岩を隔てて右側のビーチは波のパワーが弱いため、波が小さいときはビギナーでも十分に楽しめる。反対に左側はパワーのある波質で、サイズが上がったときは中上級者向け。全体的にカレントが強め。
浜辺の宿 濤亭(とうてい)
入田浜の目の前に佇む、全13 室がオーシャンビューの客室となっている温泉旅館。下田で水揚げされた金目鯛の煮付けや、伊勢海老の刺し身などが自慢の逸品。檜大浴場と伊豆石岩露天風呂で疲れを癒そう。
住所:下田市吉佐美348-7 ☎ 0558-22-3450 www.toutei.co.jp
大浜
リゾート色の強い海ながらパワフルなブレイクが魅力
外国人観光客が目立ち、異国情緒あふれる大浜。近年のインバウンド対策よりも以前から外国人が多いのだが、国道からもっとも離れたビーチであることから閑静なので、優雅な時間が過ごせることも要因のひとつなのだろう。オシ
ャレなカフェやオートキャンプ場が多く、リゾート色が強い。
そんな大浜の魅力について、リアルサーフショップのオーナーである鈴木直人プロを直撃した。「ものすごくパワフルなブレイクで、波が立ったときは中〜上級者向けになります。サイズが小さければ初級者でも楽しめますが、基本的には掘れ上がった力強いブレイクが中心です。入田浜の隣に位置するものの、大浜のほうがワイルドなウネリというのが特徴。また、ビーチが広いので、砂の溜まり方によりますが、比較的広いポイントで遊べますね。冬は西風が多くなり、その西風がオフショアになるので、どちらかと言えば冬のイメージが強い。もちろん、年間を通して西風が吹けばコンディションは期待できるということ。冬場は静岡や浜松、伊良湖のほうから来るサーファーがすごく増えましたね」大浜の美しさは、地元の人によるビーチクリーン活動の賜物という側面も。遭遇した際には、ぜひとも参加してみたい。
大賀茂川ボードウォーク
大賀茂川のほとりに整備された、通称「はまぼうロード」と呼ばれる散歩道。周囲には市の天然記念物であるはまぼうが自生し、鮮やかな緑の中、のんびりとウォーキングが楽しめる。大浜から歩いてすぐ。
住所:下田市吉佐美
八幡神社のイスノキ
伊豆半島以南に分布するマンサク科の常緑高木で、国の天然記念物に指定されている。樹高17mを誇り、推定樹齢は約800年。葉に実のように見える「虫こぶ」ができる。
住所:下田市吉佐美1722-1
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