パーフェクトマシンブレイク”クラマス”の光と影

レギュラーフッターなら垂涎のライトハンダーのクラマス。今年も来週の5月13日より2019 WSL チャンピオンシップツアー第3戦「Corona Bali Protected」が開催されます。クラマスの他にチャングーやウルワツ、パダンにエアポート、その他シークレットなどなど、とにかくバリは波の宝庫なので(詳しくはサーフィンライフ最新号を参照!)、第2戦のベルズ終了後、すでに多くのCTツアーラーはバリ入りし、調整に余念がないようです。昨年のファイナルも凄かった。イタロ・フェレイラのフルローテーションエアーからのノートリムでの当て込み。実に見事なパーフェクト10ライドでした。今年も、世界最高峰のアクションがクラマスのマシーンレギュラーで繰り広げられるのが楽しみですね!
昨年のファイナルデイハイライトは↓より

コンテストタイトル「Corona Bali Protected」ですが、”Protected”とは主にプラスチックをはじめとした海洋ゴミによる生態系への影響、環境破壊からバリをはじめ、世界の海を守ろうという意味が込められています。メインスポンサーのCoronaは、世界的にも対プラスチックゴミへ注意喚起を目的としたブランドキャンペーンを始めるよう。いいね、コロナ!今日はコロナ飲みます 笑

約1ヶ月前の話になりますが、撮影でおよそ10数年ぶりにクラマスに訪れました。波は変わらずパーフェクトの一言。ちょうどJPSAの初戦直前でしたので、多くに日本人プロによる連日に大セッションは圧巻でしたね。前にきた時はワルンが一軒しかなく、しかも準シークレット扱いだったので変貌ぶりにビックリ。ただビーチに目を向けて見ると…..
こんなゴミの山が至るところに点在しています。これはライブ中継には映りません。綺麗なのはクラマスのピークの目前にあるKOMUNE RESORTの正面だけ(というのも、従業員がそのエリアのみ清掃しているから)でした。聞くところによると、これでも少しマシになったよう。自然に還る木材などの有機ゴミはまだいいとして、やはり多かったのはペットボトルなどのプラスチック系ゴミでした。

元々バリのあるインドネシアの人々は食器として木や葉っぱを使っていてそれを近くの川などに捨てるのは当たり前だった、それがプラスチック製のお皿やペットボトルに替わり、彼らにとっては習慣として周辺に捨ててしまうという話を聞きますが、確かに一理あります。でも、それだけでなく、やはり過剰生産や処理施設の問題、そして何より教育や啓蒙と問題はかなり複雑。昨年あたりから、急激にプラゴミが世界的な問題として扱われた事には、ちょっと裏がありそうだな、なんて要らぬ詮索をしてしまいがちですが、やっぱり気持ち良くないですよね。

プラゴミ問題は根本的には作らない、使わない、も重要ですが、出てしまったものは誰かが拾うしかありません。一つ拾って適切な処理をすれば、確実にゴミは一つ減ります。クラマスのスーパーレギュラーを楽しんだ後は是非、プラスチックゴミを拾って帰ってください。そういえばセッションをしていた日本人プロサーファーの何名かは、必ず海から上がった後にいくつかのゴミを拾っていました。国内でも、海外でも、この姿勢は見習いたいと思います。

text : Yasuyoshi Ogawa