Back to the Beach.ベストライディングへの道 Vol.1

  (ニューボードへのワックスアップの笑顔が印象的。この笑顔は万国共通ですね)

話題沸騰中!?のBack to the Beach.ベストライディングへの道。本誌(本誌では2019年1月号(12/10日発売)P128-129を是非チェックしてください)とウェブ連動企画だけにお見逃しなく。
あの頃のようなサーフィンを。再び”アツいキモチ”、海へと通うモチベーションは復活するのだろうか。

今回は遂に一般サーファーの竹内大介さんが海へ。
別注ボード『Back to the Beach 』と真新しいウェットスーツやギアと共にパドルアウトした模様をお届け。
結果はいかに…..。

(時間をかけたストレッチをする大介さん。しきりにモモの裏を気にしていた。久々に海に入る際はしっかりとストレッチ&陸トレ(ビーチサイドでテイクオフの練習)を必ずしましょう。)

15年振り(1度だけ数年前にサーフしたことはあるようだが、ペラペラのボードでテイクオフすら出来ず)に帰ってきた海。懐かしさと、嬉しさ、本当に立てるのか?と不安な気持ちが入り混じっているような表情を時折見せていた大介さん。

今回の企画にあたりリアルさを追求するために我々から竹内さんにお願いしたのが下記の3つ。

1.コソ練禁止(我々が当日までサーフボードを保管)
2.減量禁止(ブランクが空いている15年の間に10キロ増量)
3.トレーニングの禁止

ふんわり柔らかく、バックジップではない高性能になったウェットスーツに戸惑いながら袖を通し、懐かしい香りを感じながら15年振りのワックスアップ。フィンは慣れたトライ(スラスター)にセットアップし、いざ海へ。

当日のコンディションはほぼ無風、アウトは胸〜肩、インサイドはモモ〜腰くらいでバックウォッシュも入ったやや難しいコンディション。

実際海へ出ると増えた体重、衰えたパドル力にも関わらず、パドリングは軽やかにグングン進む。岸から見ていても、そのスムーズさからボード性能の高さを確認できた。
インサイドのポジションで波待ちし、いざ小ぶりな波にチャレンジ!!



                                 (足が出てこない…..)


上の写真で見てとれるように、ボードは波をキャッチして走り出しも早いが、テイクオフの際に足が前へと出てこない。でもあと、2,3本で横に走れそうだなと岸から見ていると……




上がってきて座り込む大介さん。
大介さん「ぜぇ〜ぜぇ〜、苦しいっス。ヤバいっス。」

スタッフ「ボードがグングン走るから、あと数本で横に行けますよ。マジやべェっすよこのボード。いきなりリッピングできるかも」

大介さん「‥…」

スタッフとカメラマンは目を合わせて心で会話した

スタッフ「もしかしてこの人ウルトラマンなんじゃね? もう地球に居られない状況かもね」

カメラマン「えっでもまだ3分経ってないよね??」

スタッフ「もしかして、もう入れないんじゃ。一球入魂みたいに1本入魂??
HP(ヒットポイント)ゼロだろありゃ。ドラクエなら教会行きっしょ」

カメラマン「えっ苦笑 撮れ高ゼロっスよ。ページにならないです」

結論から言おう。
サーフィンはそんなに甘くない笑

 

入水までコソ練、減量、運動が禁止だった影響がモロに出てしまった。ブランクがあっても比較的にすぐ滑れるスキーなどとは違い、ヤッパリ基礎体力とテイクオフの腕立ての姿勢、足を胸へと引きつける動作がサーフィンにはマスト。
ブランクの間にたるんだお腹周りや、筋力の低下・・・せめて陸上でのテイクオフ練習などはやらせてあげれば良かったと反省。

次回の撮影までに基礎体力の向上や陸上でのテイクオフ・トレーニングとサーフィンライフのテクニック特集をご覧いただきつつ勉強して”身体と頭に思い出して”もらおう。ということになった。

スタッフにサーフボードの感想を冷たい眼差して聞かれた大介さんは
「ボードの滑り出しが速いっす、ぜぇ〜ぜぇ〜。パドル力がないのに波をキャッチできたのは間違いなくボードのお陰です、ぜぇ〜ぜぇ〜。」

「ぜぇ〜ぜぇ〜。」

「普通のボードを借りたらグラグラとパドリングもままならない状況でした。今回は悔しいですけど、ぜぇ〜ぜぇ〜。波を滑る感覚を思い出して、本気でサーフィンをまたやりたいと思いました、ぜぇ〜ぜぇ〜」

とのこと。我々の目標のひとつ、また海へと戻ってきてサーフィンを再開してもらう。という目標は達成されそうだ。

でも15年振りの一発目でこれなら悪い結果ではない。しかもレングスは5’11″(180.3cm)と短めなのに。

やるしかないよ!やらなきゃ意味ないよ!笑

後日、大介さんは数十年吸っているタバコを辞め、軽い運動を習慣にしつつ、可能な限り休みの日は海に行くことを決意。サーフィンへの熱い気持ちがしっかりと蘇ったようだ。

同日、ゼェーゼェー言っている持ち主よりボードを借りて乗らせてもらったスタッフ(173cm65キロ)の感触ではサーフボードはエクセレント◎。とても良かった。もちろんオーバーフローだが、パドルも軽やかで速くドルフィンもスムーズに沈められた。波をキャッチするとボードが勝手にグングン進んでいってくれリードしてくれる感覚だ。テール周りの形状とコンケイブからアグレッシブなアクションも間違いなく出来るだろう。

ただ、本人に気を遣いテイクオフはしなかった。
いきなり、アップス→カービング→ローラーコースターでもかました際には本人もショックだろうから。

大介さんのボードで最初にテイクオフするのは彼自身でなければダメですもんね。

カムバックサーファーはもちろんのことビギナーにもオススメしたい1本。
サイズを短く幅と厚みを抑えれば中級者以上にもマッチする。それぐらい感触が良かった。
自分に合っているアウトライン、ロッカーだと言ってしまえばそれまでだが、やっぱり感触のいいボードは乗らなくてもなんとなく感じるものが私レベルでもある。
(スタッフも後日しっかりと乗っていますので、そのコメントは次回に)

大介さんがサーフィンから離れた2003年はASP(現WSL)でアンディ・アイアンズがチャンピオンに輝き、ケリー・スレーターと壮絶なバトルを繰りひろげていた頃。彼が好きだったタジ・バロウが3位とサーフィン業界はまさにコンペティション一辺倒だった時代。あの頃の様にリッピングをかますことができるのか?? 目指せタジ・バロウ!

ちなみにスタッフは大介さんから鬼軍曹というあだ名をつけられていました笑
Vol.2へと続く

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https://surfinglife.jp/gear/7125/

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写真/熊野淳司 文/スタッフ鈴木