ウエイティングピリオドがスタートし、あとはIT’S ONを待つばかりの 2019 WSLチャンピオンシップツアー第7戦「Tahiti Pro Teahupo’o Presented by Hurley」。予想では日本時間の土曜日早朝に新しいスウェルが到達、日曜〜月曜日での開幕が濃厚です。でも、最近のCTの傾向だとファーストスウェルでいきなりスタートするかもしれません。我らが五十嵐カノアはラウンド1ヒート3にクレジット。カイオ・リベリ、アドリアーノ・デ・スーザの両ブラジリアンとの対戦になります。ヒート3ですから、ONしたらすぐ始まります。WSLオフィシャルサイトやSNSでしっかりスタート時間を確認しておきましょう。今シーズンの目標としてCTトップ5入りを公言しているカノアですが、前半戦はその言葉通りきっちりと5位にランク入り。目標は半分まで達成したというところでしょうか。これまでの成績は、
CT#1 | QUIKSILVER PRO GOLD COAST | 9位(3,320pt) |
CT#2 | RIP CURL PRO BELLS BEACH | 9位(3,320pt) |
CT#3 | CORONA BALI PROTECTED | 優勝 (10,000pt) |
CT#4 | MARGARET RIVER PRO | 9位(3,320pt) |
CT#5 | OI RIO PRO | 5位 (4,745pt) |
CT#6 | CORONA OPEN J-BAY | 5位 (4,745pt) |
と嬉しい初優勝はもちろんのこと、安定感のある成績を残してます。以前もお伝えしましたが、この前半の成績が後半戦に向け、とても有効になってくるのです。現状のWSLワールドチャンピオンは、年間全11戦中成績の低かった2戦を消した(スローアウェイ)9戦での合計ポイントで決定されます。カノアが前半以上の好成績を残せば、前半のうち9位にランクした3戦から2つを消せば良い訳ですが、その状況になったら5位どころかワールドタイトル・コンテンダーになっていることでしょう。参考までに、昨年2018シーズン後半のカノアの成績というと、
CT#7 | TAHITI PRO | 9位(3,700pt) |
CT#8 | SURF RANCH PRO | 3位(3,700pt) |
CT#9 | PRO FRANCE | 25位(420pt) |
CT#10 | MEO PRO | 5位(4,745pt) |
CT#11 | PIPE MASTERS | 13位(1,665pt) |
*昨年後半戦の成績
昨年まではROUND5がありましたので、順位に対して付与するポイントが今シーズンと微妙に違うのですが、例えば2019年後半のカノアの成績が2018年シーズン後半と同じだったとすると、2019年前半のポイントを足して、成績の低い後半の2戦(2018 PRO FRANCEとPIPE MASTERS)をスローアウエイして、今シーズンのポイントで換算すると(わかりづらいかな〜?)、43,920ptとなります。
これを昨年の最終ランキングのポイントに当てはめてみると、
ワールドチャンピオン:ガブリエル・メディーナ(BRA) 62,490pt
2位 :ジュリアン・ウィルソン(AUS) 57,585pt
3位 :フィリペ・トレド(BRA) 51,450pt
4位 :イタロ・フェレイラ(BRA) 43,070pt
5位 :ジョーディー・スミス(ZAF) 36,440pt
となり、カノアはワールドランキング4位になります。詳細は省きますが、2017年に当てはめてみても、4位のジョーディーの47,600ptに次ぐポイントになりますので5位となります。つまり、カノアは後半戦5戦の内2戦は別に順位が悪くてもいいんです。コレ、かなり精神的な余裕が生まれると思います。それもやはり前半戦の優勝と他の安定した成績があってこそなんです。もちろん、カノアは「2戦くらい別にいいや」なんて毛頭思っていなく1戦1戦優勝を狙っていくと思います。ですが、「ワールドツアーはマラソンみたいなもの」と自身のSNSで幾度か発信しているように、スマートな彼の事、きっとこの辺りの事はしっかり計算できているのではないでしょうか?
自然がフィールドのサーフィンですので、その時のコンディション、またアスリートにはつきものの怪我という不安要素があるのは確かです。しかし、ハードなフィジカル&メンタルのトレーング、これによってもたらされたバリでの優勝が自分に対する”CONFIDENCE(自信、信用)”となり安定した成績を出している今シーズンのカノア。やはり期待しちゃうんですよね。GO KANOA!!!!!
あっ、予想ですね、ズバリ3位!
Text : Yasuyoshi Ogawa