やっぱり重かった アンディ・アイアンズ「KISSED BY GOD」視聴レビュー*ネタバレ無し

アンディ・アイアンズ「KISSED BY GOD」

テイラー・スティールの「CAMPAIGN」のアンディのパートを見て、いつかはあんなバックサイドやってみたいと思い続けてる小川です。

今年5月、ロサンゼルス、ハワイ、ニューヨークでプレミア上映され話題となった、2000年代初頭の最強サーファー、アンディ・アイアンズの謎の死に迫ったドキュメンタリー「ANDY IRONS : KISSED BY GOD」(邦題:アンディ・アイアンズ 神に愛された男」が昨日よりiTunesでダウンロード購入が可能になったので、早速フルパートを視聴したレビューを。尚、言語は日本語にも対応、字幕付きで見れますので、ご安心を。

前サーフィンライフに入社して間もなく、まさに黄金時代を迎えWCTにキングとして君臨していたアンディ。他の皆さん同様に、サーフィンの技術はもちろん、その強烈なキャラクターやケリーとのライバル関係にすっかりと魅了されました。二度目のワールドタイトルを最終戦のパイプで獲得した時、幸運にもその場に立ち会えたし、渋谷で開催されたパーティーで少し話せたし、翌年、マリブでのケリーとのファイナルでの大逆転ライドも目の前で見れたし(鳥肌立ちました),,,そんな事もあって思い入れの強いサーファーの一人です。

さて、本作、冒頭はタイトルになっている「KISSED BY GOD」の意味がアンディ本人の肉声で語られるところからスタートします。それはサーファーなら誰もが共感する”あ~そうだよな”と感じるもの。そこでしっかりと作品に吸い込まれていきますが、次の登場するのは、見るに堪えない程の悲痛な表情のブルース・アイアンズ、そうアンディの実弟です。映画はこのブルースがストーリーテラーとして進んでいきますが、映画というよりアンディ・アイアンズの人生におけるストーリー・テラーといってもいいでしょう。時には思い出話しに笑みを浮かべるブルースですが、全編を通して悲しみに包まれたその語り口は、物語をより一層シリアスなものにしていきます。

これから映画を楽しみにしている人も多いかと思いますし、ネタバレも何なので内容は割愛しますが、パートパートでアンディの人生に深く、そして濃く関わった人々が登場し、”アンディ・アイアンズとか何だったのか”を語ります。妻のリンディ・アイアンズ、ケリー・スレーター、ミック・ファニング、ジョエル・パーキンソンとアンディと時代を共にした彼らの言葉は真実であり、そしてとても衝撃的でした。死因はドラッグの過剰摂取と当時から噂されていましたが、本当にそうなのか?アンディが戦っていたものとは?この作品は、単なるサーフィン映画ではなく、稀代のアスリートであり、カリスマのアンディ・アイアンズ生き様に迫ったドキュメンタリーです。明らかになる真実の数々を是非、ご自身の目で確かめてください。サーフィンのパートも勿論収録されていますが、今見てもメチャメチャかっこいいっすよ、やっぱり。A.I FOREVER!

アンディ・アイアンズ「KISSED BY GOD」

「Andy Irons : Kissed By God」オフィシャルサイト