海に通っているといつかは出会う、サイズのあるエクセレントなコンディション。普段の波で磨いたサーフィンのスキルがいよいよ試されるときだ。そんな「カタ・アタマ」の波を乗りこなすための、さらなるポイントを伝授していこう。
「カタ・アタマ」ってどんな波?
台風や低気圧の通過などにより、大きなうねりがやってきたときの波で、ビーチブレイクがメインの日本においては、多くのポイントの本領が発揮されるサイズ。乗れるようになれば、波を滑り降りる感覚やスピード感など、圧倒的にサーフィンの楽しさが増してくる。
波の特徴とカレントを見極める
カタ(ときどきアタマ)のようなサイズのある波ではスープやライディングの失敗によるダメージも大きくなるため、普段以上にビーチから海の様子を観察しよう。ピークはどこにあるのか、カレントはどうなっているのかなどの事前情報を得ることで、サイズのある波でも余裕をもって挑める。小林プロは少なくとも10分以上は状況を見ることをすすめる。「時間をおいて、セットの感覚を確認します。そして自分の乗りたい波を見つけたら、その波がどの辺りでブレイクして、どのくらい掘れてくるかスピードが速いか遅いかなどを総合的に見て、使うサーフボードを選択。あとはスムーズにお沖に出るために潮の流れを確認します。」

パドリングのコツ
やみくもに腕を回して小刻みにパドリングをしても、大きなうねりを持つ海全体の流れには乗れない。セットの最後でブレイクした波が沖に戻るタイミングを狙おう。いつも以上にゆっくり深く水を掻くようにしてパドリングをすると効果的に加速することができる。
ドルフィンスルーのコツ
より深く潜るためには、大きな動作で少し早めにノーズを沈め、ヒザではなくつま先で限界までテールを押し込むのが大事。また波が崩れそうでも諦めずに波に向かっていけば、ブレイクしようと吸い寄せられる水の流れによって間に合うことが多い。
サーフィンライフ2020年1月号の内容を再構成
写真=高橋賢勇 編集・文=菅 明美 文=高橋 淳