ショートボードのスタンスは基本的に2パターン。前足はパドリング時にみぞおちがついていた場所で固定。後ろ足はテイクオフ直後の加速時はサイドフィンの上あたり、アクション時はバックフィンの上に移動させるのがセオリーだ。もうひとつ気にしたいのは足の角度。ストリンガーが12時方向だとしたら、レギュラースタンスの場合、前足は13〜14時くらい、後ろ足は14時〜15時くらいの位置に合わせよう。これは基本的にどんなボードにも当てはまる。前回のおさらいはこちらから→スタンス「足を置くべき場所を知る」
ショートボードの基本スタンス ~小林直海 流~
加速しやすいスタンス
「僕のスタンスは少し狭めなのですが歩幅は肩幅強くらい。後ろ足は親指がサイドフィンの前方を越えるあたりで、比較的に前寄りです。前足はパドリングの際に胸をついていたところ。ボードの真ん中より若干後ろです」
後ろ足の位置は多少の個人差はあるが、サイドフィンの上あたりにくることは間違いない。前足は小林プロのいう通り、パドルの際に胸がついていた位置にある。加速が必要なテイクオフ直後は、前方に加重しやすいこのスタンスだ。
アクション時のスタンス
「鋭いオフザリップなどのアクションを行う際には、後ろ足をバックフィンの前方あたりに持っていきます。そうすることで、より後ろ足でサーフボードをコントロールすることができ、急激な方向転換が可能になります」
深いボトムターンから繰り出すバーティカルなオフザリップは、ショートボードならではの楽しみ。より鋭いアクションを求める際には、後ろ足をテールエンドのギリギリ、デッキパッドのキックまで下げることもあるという。
スタンスをキメる3つのコツ
1.立つときは後ろ足を意識する
テイクオフのとき、波に乗ろうと気持ちと体が前のめりになってしまい、足を本来の位置より前方に置いているサーファーがいる。しかし立ち上がった際にスタンスをキメるために、後ろ足はテールに残すようなイメージを忘れないようにしたい。
2.前膝は胸で抱え込むように
前足は、立ち上がるというよりも、胸に膝を素早く引きつけるように心掛ける。そうすれば、パドリング時に重心を取っていたみぞおちあたりの位置へ、前足をスムーズに移すことができる。適度に膝を曲げた状態をキープすることも大切だ。
3.ステップバックはボトムターンの直前で
アクションの前に後ろ足を下げる“ステップバック”のタイミングは、波のボトムに降りきってからターンに入るとき。下の動画でいうと、1コマ目から2コマ目に移行するタイミングだ。すり足で、素早く行うようにしよう。
写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 取材協力/ケンティンサーフショップ
[2018年9月号掲載の記事を再構成]