気象予報士が解説!冬の湘南・千葉・日本海で波を当てる!

いよいよ本格的な冬シーズンの始まりだ。冬は日本海に良い波が立つイメージが強いが、湘南や千葉にも実はチャンスがある。波を当てるコツを気象予報士に聞いた。

 

冬の湘南で波を当てる!

 

湘南は南向きのエリアが多いため、北~北西ベースの風が強くフック西高東低の冬型の気圧配置では、強いオフショアにうねりを抑えられて波が上がる要素が少ない。そのため基本的には冬は波が立ちづらいが、運よく南の海上に低気圧があればサイズアップが期待できると、気象予報士の塩田さんは教えてくれた。「下の天気図の日は、午前中に南の海上を低気圧が通過して、夕方にはモモコシ~ハラサイズとなりました。さらに低気圧が発達した場合は、ムネ~カタサイズになることも。」

 

冬の千葉で波を当てる!

太平洋に突き出す千葉は、エリアによって向きがさまざま。そのため一概には言えないが、千葉北周辺の東向きを想定すると、この天気図で波が上がる可能性がある。「天気図からは見えづらいですが、実は右上のはるか北東の海上(アリューシャン付近)に低気圧があり、それが発達しています。千葉や茨城などの東向きのポイントは、このような波長の長い北東うねりが反応することも珍しくありません。ハワイ・ノースショアにビッグウェイブをもたらす低気圧でもあります。南岸を向けた低気圧からのうえんりが反応しやすいのは2月からです。」

 

冬の日本海で波を当てる!

下図の上の天気図は北~北西ベースの風が強まる冬の気圧配置を示し、日本海側のサイズアップが期待できる。しかし等圧線が狭いときは風が強く、かわせるポイント以外は大荒れになる。そのた下図の下の天気図のように大陸の高気圧が日本付近へと進み、風の弱まるタイミングがねらい目となる。「この天気図では日本海全域で風とうねりが強まり海はジャンクに。その後、高気圧が移動して風が弱まり、北陸エリアや山陰、九州でムネ~アタマオーバーの波がブレイクしました。気圧配置は刻々と変わるので、その経緯を見るのもポイントとなります。」

 

教えてくれた人
気象予報士/塩田久実さん/千葉県生まれ。波乗り歴 25 年。大好きな海と波をもっと知りたいと思い、波に特化した気象予報士に。現在は波情報サイト「なみある?」の専任スタッフとして活躍。彼女の「気象予報士コラム」では、より詳しく天気図や波の読み方を学ぶことができる。https://namiaru.tv


サーフィンライフ2020年1月号の内容を再構成

https://surfinglife.jp/technic/18140/