【横に走る】「波のパワーゾーン」をうまく使うコツ2つ

横へ走るためにはスピードを出す「パワーゾーン」と呼ばれる場所を見極められるようになりたい。波のパワーが生まれる場所、その使い方を教えてもらおう。

 

波の上の走るべき場所「パワーゾーン」


波は2つのパワーが作用し続けている

「波のパワーの1つは波頭から崩れてボトムの波面へ向かう際に生まれる。もう1つは海底にうねりが当たって波が起き上がるパワー。波の上部(トップ)と底(ボトム)、2つのパワーゾーンを結ぶことによってこそ、サーフボードは加速できるんだ」と、クレイトンさんは言う。

波のパワーゾーン

波が最初にブレイクする一番切りたった場 所(ピーク)から滑り降り、水の起き上るスピードが最も早いボトムで方向を変え、再び波のトップを目指すのが理想的な走り方。海底が浅い場所ほど急激に波が掘れ上がり、パワーがあることを覚えておこう。「より強く意識するのは、見た目ではわかりにくいボトムだ。波が起き上がる場所のパワーはすぐ弱まるためスピードが落ちやすく、ボトムにいる時間は短めに。素早くトップに戻ることで、再び波を滑り降りてスピードを生み出せる」

 

パワーゾーンの使い方 ポイント1

波のパワーゾーンを複数使い波の上を走る

波を滑り降りてスピードを得ることは想像しやすいだろう。しかし降りるだけではライディングはすぐに終わってしまう。横へ走り続けるためには、波が起き上がる力を利用し再び高い場所へ行く必要がある。トップとボトムにあるパワーゾーンを行き来するのだ。

 

パワーゾーンの使い方 ポイント2

次の波のトップまでをセクションという

トップとボトムにあるパワーゾーンをうまく使えればスピードはつく。トップから滑り降りてボトムにたどり着くと、次の瞬間にはトップを目指す。アクションが可能なその「セクション」でターンを繰り返して、波を乗りつないでいこう。
波のパワーゾーン

 

教えてくれた人・・・
クレイトン・ニーナバーさん
クレイトン・ニーナバーさん
1974 年、南アフリカ・ダーバン生まれ。’90年代にプロサーファーとして世界を転戦しながらコーチとしての活動を開始。ジョーディ・スミスをCTへ導いた実績を持つ独自の理論は世界中で高い評価を受けている。現在はオーストラリア・ゴールドコーストを拠点とし、コーチングとともにプロシェイパーとしても活躍中。

 


写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳
[サーフィンライフ2018年11月号掲載記事を再構成]