テイクオフをするときに「斜めの方向へ」と意識することで横への走りやすさは大きく変わる。スムーズに波の斜面を走っていくために、押さえておきたいポイントを説明していこう。
1. 岸に向かってパドルしながら目線は走る方向へ向ける
テイクオフで心掛けたいのは、波が切り立った場所から行うこと。波の高低差があるほど初速をたくさん得られるからだ。その際の基本は波が押し寄せる方向に対してまっすぐに、つまり岸に向かってのパドリング。このときすでに横へ走ることを想定して、まずは目線を走って行きたい方向へ向けることが大切だ。「サーフボードは見た方向に進んでいきます。パドリングをしていて波に押される感覚をつかんだら目線を横に向けましょう」と、小林プロから目線を送るタイミングのアドバイス。
2. 走っていく方向へサーフボードも傾ける
パドリングでしっかりスピードを得て、波が立ち上がってきたら、サーフボードを少しずつ進行方向に向けていく。このときの目線を送るべきところについて、加藤プロはこう教えてくれた。「テイクオフ段階で見るべきは波が掘れ始めているところ。つまりボトムです。また、波はビーチに向かって動いています。そのためテイクオフをして、それまで見ていたボトムでターンを始めた直後には、もうトップ近くにいることになります。そうすればまた波を滑り降りて次のセクションへ向かいます」
3.波側のレールに少しだけ荷重して滑り出す
いよいよテイクオフの瞬間がやってくる。その際のポイントを小林プロはこういう。「サーフボードを少し横向きにセットして、波側のレールを入れた状態からテイクオフすれば、そのまま横方向へサーフボードは走り出します。波のパワーゾーンから外れないように、テイクオフは掘れたところから立ち上がることが大事です。あまりブレイクが速そうでなければ横へ急がず、少し岸向きに向けてテイクオフします」。そうして重心を低く保ちながら、波側のレールを意識して荷重していこう。
4.目線は進む方向へ向けて、サーフボードに荷重し加速する
テイクオフした後はボトムを目指しながら、膝を進行方向へ向けつつ、体重を前方に掛けていこう。上から下へ滑るスピードを最大限に引き出すことがポイント。そこから先は次のページで解説する、ボトムターンへ移行していく。
テイクオフした後はボトムを目指しながら、膝を進行方向へ向けつつ、体重を前方に掛けていこう。上から下へ滑るスピードを最大限に引き出すことがポイント。そこから先は次のページで解説する、ボトムターンへ移行していく。
5. 速い波でのテイクオフは、より横向きに角度をつける
波のトップが崩れ落ちそうなときは、ほぼ真横を向いた状態でテイクオフをすれば、いち早く横へ滑ることができる。ただしこの動きは、一瞬で立ち上がる瞬発力と、すぐにボトムターンで横へ抜けるための体勢が必要になる上級者テクニックだ。
写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 ライダー/加藤嵐プロ、小林直海プロ
[サーフィンライフ2018年11月号掲載記事を再構成]