良い波に乗りたいなら、もっと波のことを知ろう!
「読者の皆さんと一緒に海に入ったとき、僕らは皆さんよりも多くの情報を海から得ています。」と語るのは小誌でも活躍する小林直海プロ。確かに彼らは誰よりも長く波に乗り、長く乗っていく。彼らは波の何を見て、どのような情報を得ているのか?
1.ブレイクの早い波ではサーフボードを斜めにセットします
週末しか海に行けない場合など、波のコンディションを選べないと、ダンパーの波に出会うこともあるでしょう。ブレイクの早い波をメイクするコツはほぼひとつ。波に対して斜めにテイクオフすることです。
パドルの時点からサーフボードを斜めにし、波側にレールをセット。すると立ち上がった瞬間からレールが波にセットアップされているので、スピードも出ます。その初速で一気にダンパーを抜け、アップスン&ダウンズなど、波のパワーを利用したアクションで走っていけます。
2.波のエネルギーを利用して力まないパドリングをしよう
これからの季節、波に力のないコンディションに遭遇することも少なくありません。そのような波をキャッチするコツは、やはりパドリング。パドルは手で水を掻くのではなく、腕を海に差し込むイメージで。脇を締め、レールのすれすれでパドルをすれば、腕の付け根まで海水に入れることができます。
肩甲骨を使って腕をしっかり回しさえすれば、腕の力はほぼ不要です。あとはブレイクのどこを利用すれば、波のエネルギーを最大限に使えるのかを見極めること。何度も海に通うことで、その感覚を身につけていきましょう。どんなときにノーズが波に刺さってしまうのかなど、自分のサーフボードの特徴を理解することも大切です。
3.捉え方を変えるだけでオンショアの波は楽しくなります
面がガタガタで波数の多いオンショアを苦手とする人は多いと思いますが、僕はオンショアが大好き。その理由は、波が作り出すセクションが多く、トリッキーなため。コブがたくさんあるので、それを利用してサーフボードを運ぶと長く乗れます。オンショアのときは人が少ないのに、波数は多い。いろんな技を試しやすい環境だと言えます。
4.ビーチでは入る場所だけを決めて本格的な波探しは海のなかで
どれほどビーチで波を見ていても、実際に海へ入ると想像と違う。そんな経験を持つ人は多いと思います。僕らも「見た目より悪かった」「思ったより良かった」など、たくさんの経験をしてきました。どれだけ波を見ても、海に入らないとわからないことは多いのです。
ビーチではある程度のポジショニングだけを決めて、海に入ってから波をしっかり探しましょう。実際に僕も、手前や奥、右や左など、海のなかでいろいろと動きながらベストな場所を探しています。
[2019年7月号掲載の記事を再構成]
取材・文/高橋淳