サーフボードに浮力があるうえ、反り(ロッカー)が抑えめなため推進力が強く、ボードの持つスピード性と波の力を利用するだけで十分に走るミッドレングス。その特性から、ショートボードよりやや前、ボードの中央エリアを使うようにスタンスを持っていくと、意図的にボードを動かさなくてもスピードに乗ることができる。また波の状況に応じてノーズエリアにも軽やかなステップワークで足を運ぶことがあるのが、ミッドレングスのスタンスの特徴だ。ショートボードのスタンスはコチラ
スタンスをキメる4つのコツ
1.基本スタンスは肩幅ジャスト
2.立ち上がった後もスタンスは調整できる
ショートボードに比べて長さがあり、ロッカーがフラット気味なミッドレングスは安定性に優れているので、立ち上がってからでもスタンスの調整がしやすい。ボードの前方に移動すれば加速しながら直進性が増し、後方にステップバックすれば減速やターンが可能になる。この2つの法則を覚えておけば、スタンスを調節することで波に最も力のある位置をキープできる。写真のように足をクロスさせるのは上級テク。はじめは摺り足がオススメだ。
3.ステップバックはボトムターンの後で
掘れた波でトップターンを行う際など、ショートボードではボトムターンに入るタイミングでステップバックをした。しかしミッドレングスでは、前出の“直線的に走るスタンス”、もしくは“重心を落とすスタンス”でボトムターンを行う。そして、波のトップへ上がっていくタイミングからトップでターンする直前で、後ろ足の小指をセンターフィンの前方あたりまで下げる。ボードの反応が遅いので、ひとつの動作をゆっくり焦らず行うようにしよう。
4.テイクオフの際、手を前に置けばノーズに行ける
ミッドレングスでは、波が厚いときや、波においていかれそうなときに、テイクオフからそのままノーズに行って荷重することで、乗りつないでいくことができる。このテイクオフの際に、いつもより両手をノーズ寄りに置けば、スタンスも自然とノーズ寄りに移行していく。前足は両手の間に持っていき、後ろ足は自然とついてくる位置にスタンス。そしてしゃがむ。さらに加速したい場合には、前足をノーズの先端に伸ばせば一層のスピードを得ることができる。
写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 取材協力/ケンティンサーフショップ
[2018年9月号掲載の記事を再構成]