【テイクオフ】ショートボードとミッドレングスでテイクオフが変わってくる!

サーフボードが変わればテイクオフの仕方も変わる

サーフボードにはそれぞれ固有のリズムがある。それは長さなどのスペックやフィンの数、シェイプデザインのディテールによって変わってくる。ひとつ確実にいえるのは、短いほど速く、長いほどゆっくりになるということ。ここでは、それぞれ特有のリズムを持つショートボードと、シングルフィンのミッドレングスについて、テイクオフのポイントを紹介する。

小林直海と山中海輝

まず、この2つは波の走る場所や、狙うアクションが異なってくる。ショートボードはパワーを秘めた波の箇所を外さないようにターンを入れながらトップアクションを狙う。ミッドレングスは波の斜面を大きく使い、横方向にゆったりと流れるように走っていく。こうしたボードの違いによる動かし方の変化は、テイクオフにも当てはまる。それではショートボードとミッドレングスでテイクオフがどう変わるのかを見ていこう。

ショートボードのポイント

1.立ち上がる直前、波のトップに視線を送る

スラスターでのライディングは、チューブを除き、基本的には波のトップでのアクションを狙うことが目的となる。テイクオフのときには視界を広く保ちながら、波のブレイクを予測してアクションを仕掛けにいく場所(波のトップ)に目線を送ろう。体の動きに対するサーフボードの反応が早いため、それだけでも十分に技をかけるリードになる。ちなみに小林プロが気にしているコツは「目線、体、ボードの順でライディングをコントロールします」とのことだ。
小林直海

2.斜め方向へのテイクオフが基本

岸に向かって押し出す力を秘めた波の箇所でアクションするようにデザインされているスラスター。その特徴はテイクオフにも当てはまる。特に掘れた波ではピークから波にレールをセットし、斜めにテイクオフをする。「そうしてスピードに乗ってから、ボトムへおりるのか、走るのか、カットバックするのかといった次の動作を決める」というのは小林プロ。厚い波でも同様のアプローチを取りたいため、なるべく掘れたピークを探すことが大事になる。
小林直海

ミッドレングスのポイント

1.波のボトムを見ながら立ち上がる

主に厚くスローな波か、大きい波のときに真価を発揮するミッドレングスは、そのデザインから小刻みなターンを得意としないので、一度しっかりボトムにおりて大きなターンを狙おう。方法としてはまっすぐボードを岸に向けながら、ボトムを見てあげると深くおりていける。テクニカルではあるが、「ミッドレングスではテイクオフがひとつの技みたいなもの。格好いい見せ場だと思ってやりましょう」と、小林プロは笑いながらアドバイスをくれた。
テイクオフ

2.先を急ぎすぎず、ゆっくりと走る

小林プロのミッドレングスはシングルフィンという特性から、ボードに加重をしてから動き出すまでの反応がスローだ。テイクオフも急がず、ひとつひとつの動作をゆっくり行い加速させるようにしたい。「応用編としてはレギュラーの波に対してノーズの向きを真逆であるグーフィー方向にまで振って、ボトムターンをしながらレギュラー方向に加速させる“フェイドターン”があります。波が掘れてくるのを待ちながら、合わせていましょう」。
テイクオフ


過去記事【テイクオフ編】
テイクオフ「厚い波、掘れた波」
テイクオフ「バックサイドとフロントサイド」

写真/高橋賢勇 取材・文/高橋 淳 取材協力/ケンティンサーフショップ
[2018年9月号掲載の記事を再構成]