波を知る#3「波はどこで待つべきか」

波を知る#2「効率よく沖へ出る」ことに成功したら、どこで波待ちをするかが次の課題。波待ちのポジションで波に乗れる回数が変わってくるもの。いい波に乗れるポジショニングとは?

波をどこで待つべきか?


アウトサイド

「大きな波をロングライドしたいなら、待つべきポジションはここ。また、沖でブレイクする波の方が波面はクリーンとなるのでテイクオフの成功率も上がります。インサイドに向かうにつれて、どのポイントも波は掘れがちになり、難しいテイクオフとなるのです。ただ波が良い分、アウトサイドは上手いサーファーやローカルが多くいます。そのような状況では、セットを待つ辛抱強さに加え周囲への配慮が必要になるので、乗れる波数は減りがちです。それでも本来はアウトサイドでつかんだセットを長く乗りつなぐのがサーフィンの醍醐味。沖から自分で波をキャッチできるサーファーは、なるべくアウトサイドで待ちたいですね」

ミドルセクション

アウトサイドより数が多く、たくさんの波に乗れるのは魅力的ですよね。また、ミドルセクション特有の掘れた波の場合は、スリリングなテイクオフを味わうこともできます。ただ、沖からダラダラと厚い波の状態が続いているときは、テイクオフをしてもバランスを失いやすく、スピードに乗りにくくもあります。その日一番の波、セットを諦めることになるのも残念な点ですね。それどころか、そのセットを食らうこともあります。沖で待っても波が余らない、距離が短くてもチューブに入れる場合などは、この位置で待つ価値があるのではないでしょうか。ただしアウトから乗ってくるサーファーの邪魔にならないように注意が必要です

インサイド

「ポイント全体に波があるときは、イラスト上にある“INSIDE 1”のようにクローズアウト気味になることが多く、基本的には波を待つ場所ではありません。沖から波を乗りつないできた人のためにあるセクションといってもいいでしょう。ただし波のコンディションによっては、ショアブレイクやセットの合間に割れる小さな波が良い形になるときがあります。その波を見つけられる目と、沖から来る波をやり過ごし、サーファーを避けられるスキルがあれば、ひっそりとグッドサーフを楽しむことができる場所です。また“INSIDE 2”は、初心者サーファーが小さな波やスープで押されサーフデビューするうえで最適な場所になります」

波を見つける目を養いグッドウェイブを狙う


どのポジションで波を待つか。その判断はサーフィンを楽しむうえでとても大切になる。沖合いまで行って戻ってこられる技術を持つことが大前提だが、人が少ない状況であれば、間違いなく、最もいい波がブレイクするアウトサイドが待つべきポジションになる。「ただ、波がいいときのアウトサイドには、必ず上級者やローカルサーファーがいます。そこには、その時々で波に乗る順番が暗黙のうちに生まれているので、状況を理解して辛抱強く待たなければなりません。そう考えると、いかに良い波ながら空いている状況を見つけることが、グッドサーフをする鍵になります」と浜瀬プロはいう。

いうまでもなく海は広い。アウトサイドの波やサーファーが集中しているピークにこだわらず、密かなグッドウェイブを見つけ出すことを心がければ、今よりもっとサーフィンを楽しむことができる。「波を待つにあたって注意すべは、ライディングをしているサーファーの邪魔をしないこと。加えて、波の大きさ、海のなかにいるサーファーたちのレベルを見極めて、自分の力量にあった場所でサーフィンをすることです」

 

教えてくれた人

プロサーサーファー 浜瀬 海
はませかい●1997年、神奈川県生まれ。2017年にJPSAロングボードグランドチャンピオンを獲得した、ショートボードのプロとしても活躍する稀代のオールラウンダー。先日開催されたJPSAロングボード特別戦と第2 戦を連続優勝するという快挙を成し遂げたばかり。


写真/吉岡昌彦、ユースケ、高橋賢勇、中浦“JET”章、ペドロ・ゴメス、ショーン・サラリラ  イラスト/樋口篤郎 取材・文/高橋 淳