ゲティングアウト時の天国と地獄、パドルひとかきの圧倒的な差。

こんにちは。スタッフ鈴木です。
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先週の湘南など太平洋側は、台風からのグランドスウェルも届き、ハードな波のコンディションも多かったですよね。こういった時はゲティングアウト時に「ひと掻き」のさが如実に出ると思います。

砂浜(岸)から見ると、そんなサイズに見えなくても入水するとその大きさに驚き、ラインナップが近づくにつれて、流れ、スープのパワー、そしてラインナップに到着して休息しているとアウトから近づくオバケセットに一掃されてしまったり…小波以上にパドル力、波を読む力が必要になってきますよね。

上手いサーファーやプロを見ていると、ひと掻きで進む距離が長いです。1回1回の差は10センチだとしても、10掻きしたら1Mの差になってしまいます。それだけではなく、ダッグダイブ(ドルフィンスルー)も深いし、タイミングも的確。よく観察していると、そんな彼らでも巨大なスープでは押し戻されることもあります。でもリカバリーが早くその分早く沖に到達しています。また、オバケセットがきても状況判断が優れているので慌てません。以前、プロサーファーが言っていたことですが「乗ってからもプロは違うけれど、乗る前から大きな差があるんだよ」という言葉の意味がよくわかります。サーフィンは沖に着く前から差が出てしまうもの。スノー系のスポーツの様にリフトもないですから、自力でスタート地点まで行かなければなりません。

私のホームスポットはビーチブレイクでチャンネルもないのでクローズアウト気味の際は気合いでラインナップへと出るしかありません。沖へのカレントも見づらくもインサイドが一面真っ白なことがよくあります。

そんな自分の中で大きな波に対処するために、日頃から気をつけているのが下記の3点。
(自分の実力以上だと感じた、または一人で入水する際は無理はしないということが大前提です)

1.兎にも角にも生きて帰る(当たり前ですが、波が小さくても死ぬこともあります。アクションスポーツに油断は禁物)
2.日頃から腕が上がらなくなってからのひと掻きを大事に、全力で繰り出す様にしている
3.ボードの安定する位置を日頃から良く確認しカラダに染み込ませる(押し戻されてボードから落ちても直ぐにリカバリーできるようにするため)

たったひと掻きの差でセットを喰らうか喰らわないか、ラインナップへ到達できるかできないか、巨大なスープに捕まるか捕まらないかということが決まってきます。

先日、友人と3人でクローズ気味のビーチへ早朝に入水しました。なんとか全員ラインナップへと到達しましたが、沖からオバケセットが…、自分ともう一人は巨大スープに捕まりつつも、押し戻された所から素早くリカバリーし、何回かダッグダイブをして更にアウトへ、残った友人は何発ものスープに押し戻され、テトラに吸い込まれそうに。結果、打撲と深めの擦り傷を上半身全体に負いました。

グランドスウェルは気持ちを高ぶらせてくれ、いい波を届けてくれますが波が大きいということはリスクを伴います。たまたま運良くその日は無事だった私も、次にパドルアウトした際はサバイブできるかわかりません。波が大きな日に、急なサイズアップに対応して岸に戻ってこれるようにするために、日頃から対処法を考え実践していこうと改めて思いました。

あの分厚いホワイトウォーター(スープ)と、下から上がる泡でボードが進まない所への、波のリップを喰らい逆エビ状態というシチュエーションは経験したくないものです。

ビビって入らないのも大事、波が小さなスポットへ移動するのも大事です。

この時期しか味わえない台風からのグランドスウェル。
楽しく、怪我なく、サーフィンしましょう。

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表紙 五十嵐カノア
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今号のP102には、巨匠カメラマン横山泰介氏による新連載が掲載されている。TAI’S TRIPという企画の第一弾はバハマで撮影されたジャック・マイヨールの写真とその教え。波に巻かれた時のこと…是非、こちらも御覧ください。

 

 

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